「片側だけホームドア設置は危険」と障害者団体が問題提起、その実態を取材


駅にホームドアを設置することは、ホームからの転落防止のために有効であると言われている。しかし、様々な事情で工事を進めることが容易ではなく、未だ設置されていない駅もある。このたび、視覚障害者団体「神奈川県視覚障害者の生活と権利を守る会」が、ホームドアの設置のあり方について問題提起を行ったことが、東京新聞で報じられた。

 

 

2018年11月7日の記事によると、同団体の関係者が10月29日にJR桜木町駅を訪れ、ホームの片側にだけホームドアが設置された現場を視察した。4~5年前、神奈川県内の私鉄の駅で「片側にホームドアがついているので、反対側にもついていると思った」ため、ホームから落ちそうになったそうだ。

そのような経験から、桜木町駅にもホームの両側にホームドアを設置してほしいと要望したという。「ホームの両側で電車の長さが違う場合などは特に、ホームドアがないと怖い」。「障害児者の生活と権利を守る神奈川県連絡協議会」も、片側だけにホームドアがある場合、「反対側にもある」という思い込みにより、「かえって危険が増す」と指摘する。

同紙の取材に対してJR東日本広報部は、以下のように回答している。「ドアの数や位置が違ったり長さが違う列車が停車するホームより、同じ列車が使うホームや利用者が多い駅から整備を進めている」。また、「同じ駅でも速度が速い路線や本数が多い路線での設置を優先している」との説明もある。

上記の記事を読んだ当サイト読者から、このたび情報が寄せられた。視覚障害者ではないが、「電車がホームに入ってきた時や混雑時に、『ホームドアがないと怖い』と思う、狭い場所がある」という。その一例が、JR田端駅のホームだ。山手線が停車する側にはホームドアが設置されているが、京浜東北線が停車する側には設置されていない。

 

 

エスカレーター横の部分は、特に東京・品川方面行きのホームの幅が非常に狭くなっており、危険であるという。このたび当サイトでは、現地を訪れて実態を確認した。ホームが狭くなっている部分には、立ち止まらないようにという注意書きがある。とはいえ、点字ブロックの内側で人がすれ違うこともできないほどの狭さであることは確かだ。

 

 

同様の問題はJR新宿駅などにも見られると、情報提供者は指摘する。新宿駅は乗降客が非常に多いことで知られるが、ホームドアの設置工事が後回しにされてきたことについて、これまでも問題視する声があった。情報提供者が危険な例として挙げたのは、中央線のホームだ。田端駅と同様、エスカレーター横の部分が狭くなっている。

特に通勤時間帯には、電車の到着を待つ人々で混雑する。そのため、点字ブロックの内側は人々で埋め尽くされており、その外側を歩かなければならないという危険な状況になる。また、電車を待っていた人々が乗車した後の、ホームの混雑がある程度まで緩和された状態でも、点字ブロックの内側で人がすれ違うことはできない。

 

 

 

同様の例は他の駅にも見られるが、「新宿駅は人がとても多いので、危険度が格段に高いのではないかと思います」と情報提供者は言う。片側だけにホームドアが設置されているという論点も重要かもしれないが、ホームの狭くなっている部分の危険性という観点からも、問題を検討する必要があるのではないだろうか。

 

高橋