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「南青山はなんでも高い」は本当?地元セレブ住民以外はどんな食生活なのか

2018年後半、世間で話題のスポットとなった南青山(東京都港区)。児童相談所の建設をめぐって地元住民の一部が反対の意思を表明したことがメディアで報じられて、注目されることとなった。その後、地元住民らの発言が盛んに報じられるようになり、その内容に関して各所で様々な意見が飛び交った。

例えば、スーパーマーケットで売られている食品は、高価なものばかりであるという。また、ランチの単価は1600円くらいであるとの発言もあった。このような地域は、生活困窮者には厳しいのではないかというのだ。さらには、治安の悪化を指摘し、問題を抱えている子供たちは高級ブティックで万引きするに違いないと発言する住民もいた。

 

 

 

一連の報道を見て、「この地域で生活していたら、食費は膨大なものになるに違いない」という印象を受けた人も多いかもしれない。だが、近辺には多くのオフィスやショップがある。それらに勤務する人々、すなわち、地元の「セレブ住民」とされる人々以外の食生活は、一体どのようになっているのだろうか。

当サイトでは、南青山に勤務経験のある人物に話を聞いた。情報提供者が勤務していたのは、かつて南青山6丁目にあった、フランスのブランド「KENZO」の青山店だ。同店に勤務するようになって以来、「青山はなんでも高いから、食費もかかって大変でしょう?」と、友人から聞かれることが何度もあったという。

 

 

だが、高価なレストランなどに通えば当然のことながら食費もかかるが、それ以外の選択肢も多様だという。「当時、数は少なかったですが、庶民的な価格のパン屋さんがすぐ近くにあったり、小さいですけど、コンビニもブティックの斜め前にあったりしりました。チェーン店のカフェや居酒屋も、歩いていける距離にありました」。

現在、近隣の飲食店は当時とはかなり入れ替わったが、コンビニの数はむしろ増えている。セブン-イレブンやローソンがあり、少し遠いがファミリーマートもある。カフェに関しても、スターバックス、ドトールといった、おなじみの手ごろな価格の店が近くに揃っている。その他のカフェも、気軽に入れるような価格の店が意外とある。

 

 

ただし、「この辺りに生活して自炊するとなると、話は別かもしれませんね」と情報提供者は言う。スーパーマーケットやそれ以外の各種の食料品店が少ないことから、選択肢が限られてしまうというわけだ。逆に、情報提供者のように他所からの通勤であれば、食費がかかりすぎて困るという事態は避けられそうだ。

ちなみに、情報提供者が勤務していた店のあった場所は、この一帯(骨董通り)でも特に地価が高いと言われていたとのこと。「閉店になった後、テナントがずっと埋まらずに、何年間も空いていました。その後、居抜きでセレクトショップが入りましたが、短期間で閉店しました」。現在は、企業のショールームになっている。

 

 

南青山に実際に住んで生活していくとなると、やはりそれなりの収入が必要なのだろう。一方、児童相談所の問題との関連で、「南青山では、なんでも高い」とメディアが繰り返し報じているのは、物事の一面を強調しすぎているように思えた。本記事が、この地域の実態をより正確に知るための手がかりになれば幸いだ。

 

高橋 

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