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続・優子ちゃんの親

はい。お電話代わりました。

優子さんのお父さんですか?

はい。

優子さんのことについて、一度お会いしてお話したいと思うんですが。

優子はもう亡くなっておりますし、私としては祈るだけで精一杯ですので、そういう余裕はございません。

そうは言いましても、優子さんは、相当な無念を飲んで亡くなったと思うんです。

無念だったと思うんですけれど、今となっては、もう、優子のために祈るしかないと思ってます。

しかし、優子さんをそこまで追いつめた男がいるんですよ?

ええ、そのことも含めて、全体で、祈るしかないと思ってます。今は。

今はというと、この先、優子さんの無念を晴らすために行動を起こされるおつもりはあるわけですか?

今は祈るだけで精一杯です。亡くなって、まだ、いくらも経っていないですし。

それはそうですけれど・・・お父さんは、優子さんが亡くなった経緯について詳しいことはご存じですか?こちらの手元には、優子さんが遺してくれた、たくさんの証拠や情報があります。それらをお見せして、説明だけでも。

いえ、もう、亡くなった以上、聞いてもしょうがないことだと思います。祈るだけで精一杯です。

じゃあ、お父さん、ひとつだけ聞かせてください。優子さんをここまで追い込んだ男を追及する気持ちは?どんなに少なくてもかまいません・・・ございますか?

祈るだけで精一杯です。そんな余裕はございません。毎日、祈るだけで精一杯なんです。精一杯生きております。家族で。

ですから、優子さんがこんなことになってしまった状況や、経緯や、証拠や、そういった説明もさせていただけないんですか?

亡くなってから聞いても仕方ないんじゃないんですか?

・・・。

亡くなった以上、精一杯ですよ。安らかに眠れるように、祈ることに。もう、祈るだけで精一杯なんです! これから、ずーっとそうだと思います。

お話もさせて頂けないんですか?

祈るだけで精一杯です。もう亡くなってますし。毎日悲しんでますよ、本当に。

お気持ちはお察ししますが、「両親に事件の経緯を説明してほしい」、というのは、優子さんの遺志でもあったんです。なんとか、お話だけでも。

亡くなってから「遺志」とか言われても・・・私達は、祈るだけで精一杯です。

優子さんが、どれほどの無念を飲んで亡くなったのか、わかってらっしゃるんですか、お父さん?

無念だったでしょうけれど、もう、亡くなってますし。わかってるから、祈るだけで精一杯なんです。

ですから、説明や、お話だけでも。

亡くなってから、そんな話をしても、生き返るわけじゃありませんし。祈ってるだけで精一杯ですから、私達は。優子もそれを望んでると思いますし。

あの、聞きますけど・・・お父さん、本当に優子さんの気持ちを考えてらっしゃいますか?

あんたに、そういうことを言われる覚えはないでしょう!

優子さんが、私達に言い残したことは、「もし、PTSDで、自分が死んでしまうようなことになったら、元凶である男性を必ず追及してほしい」ということだったんですよ?

亡くなったものは仕方ないと思います! 私達は、祈るだけで精一杯です!

 


話に、ならなかった。

 


優子さんは亡くなる前に、事件のことを両親にうちあけている。
そして、そのときの両親の反応を、メールにこのように書き残している。


親もよくわからなくて混乱中みたいだけど…
もっと早く逃げればとか、今さら言われても遅すぎるとか…
裁判したら公務員の父の地位がとか、公務員だからマスコミに流れたらまずいとか、
○○がエイズだったらどうするのとか、
C型肝炎だったらどうするのとか、
…あれ?あたしの心配は?


脅された経緯とか、いちいち聞いて、その上「なんでその時逃げなかったんだ」とか聞いてくるから、つらくて、話せなくなってる。言葉が出ない…


親は全部知ってなきゃいけないとか言って、いちいち脅された話とかしつこく聞いて、その上責めるからつらい言葉がでてこなくなっちゃった


あんなに怖い話をちゃんとできたのは、BOSSや九坪さんがちゃんと聞いてくれたからなのに、あんなにいちいち責め立てられながらじゃ話せないよ


なんでBOSSや九坪さんに話せて親に言えないんだって言うんだよ…。BOSSも九坪さんも他人だろうって。

あたいに家族より信用できるものなんかないんだっていうんだよ

病院に付き添ってもらった話をしたら、親以外の人が付き添うなんて、親をばかにしてるのか、だって。


両親で話し合うから、一度席を外せと言われました
ああ嫌だ。なんだよあの母親の顔
探偵があやしいだって?
その探偵に守られてあんたの娘はやっと生きてるのに!
親だからってなんだよ!

 


優子さんが亡くなったのは、その3日後だった。


やりきれない。


「亡くなったものは仕方がないじゃないか。」

まさか、そんな言葉を父親の口から聞くとは思わなかった。

 



励ましのメール、すべて目を通せないほどの数です。どうもありがとうございました。中には、裁判はどうなりましたか?というメールもありますが、下の過去ログをよく読んでいただければ結果はおのずとわかるはずです。もう裁判は終わったのです。私が○○先生に対して謝罪文を書いていますか?「慰謝料を払え」という判決が下ったと書きましたか?
私の勝ち負けが重要ではない、と半年前にも書きました。むしろ、そんなものどっちでもいいのですから。

 

 

渡邉文男

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