情報提供・ご意見ご感想などはこちらまで! 記事のご感想は一通一通ありがたく読ませて頂いております。

洗剤のCMは男女差別? 実態を検証

「電車の中で最近よく見かける洗剤のCMは男女差別ではないか」という意見が、東京都内に在住の読者から寄せられた。そのCMとは、ライオンの「ソフラン」である。問題提起を受けて、当サイトでは実態を検証した。

当該のCMでは、帰宅した夫と息子の服がソフランのおかげで1日経っても「臭くなってない」と、二人をエプロン姿で出迎えた妻が紹介する。「『臭いの発生源=外から帰ってきた男性』、『家族の衣類を洗う人=主婦の女性』という昔ながらの男女観や家族像、家庭内の分担を前提にしている」と情報提供者は批判する。このような家族像や役割分担は今や自明ではないはずだが、それが当たり前であるかのように作られたCMは不快だという。

 

 

近年のCMにも、同様のパターンが見られる。2017年のCMでは、ベッドに寝ていた父親が起き上がると、悪臭を表現する黄色い煙が立ち上る。すると、その匂いを嗅いだ娘が顔をしかめる。そして、鼻をつまんで「臭い」と絶叫する。2018年のCMでは、部活で汗だくになった息子のユニフォームを手にとったエプロン姿の母親が、「うわっ、汗臭い」と言って顔を背ける。同年の別のCMも、汗をかいたユニフォームを部室に放置した息子と、それを洗う母親という同じパターンだ。

 

 

 

2019年のCMでは、主婦の女性が洗濯物を手に持って、「憂鬱でした、帰宅した夫のシャツや肌着や靴下の臭い」と不満を述べる。ここでも、外で働くのは夫、その衣類を家で洗うのは妻という役割分担だ。ただし、こうしたパターンが常に維持されているわけではない。西島秀俊が演じる「主夫」のシリーズ、エプロン姿の男女が並ぶCMなどもあり、企業も昨今の状況を視野に入れているのだろう。

 

 

「固定観念を再生産するようなCMは、もうやめてほしい」と情報提供者は主張する。ちなみに、情報提供者は共働きで、後から帰宅した方が洗濯を行い、週末は交代で担当するという。

 

高橋 

タイトルとURLをコピーしました