最近では、国内旅行よりもお手軽になってきた海外旅行。稼ぎの少ない身分では搭乗までの時間潰しに暇を持て余しますが、これがお金持ちの旅行や、大手外資系の海外出張だと、空港の「ラウンジ」というブルジョアな施設が使えます。「ラウンジ」とは、航空会社の「マイレージプログラム」（特定の航空会社を使ってたくさん飛ぶと偉くなれる）の偉い人、「ラウンジ会員」のメンバー、ファースト・ビジネスクラスの人、いくつかのクレジットカードのゴールド会員……などが利用できる施設のこと。
高級感漂う雰囲気いっぱいの、「空港ラウンジ」
開放的で明るく静か。走り回り泣き叫ぶうるさいガキなどおりません。
椅子もフカフカ。本・新聞も色々と用意されており、ネットにも繋ぎ放題、飲み物や軽食も無料。
まさに至れり尽せり。まあ、これだけ充実した無料サービスが使えるのに当然年会費なるものをソレナリに取られるのわけで、利用メリットは海外旅行にたくさん行く人に限るでしょう。利用者のほとんどは、「海外出張の多いビジネスマン」で、若干、旅行が好きなお金持ちの老夫婦なんかがいる、といったところでしょうか。
ラウンジ内でフライトを待つ人達は、日経新聞を読んだり、ノートパソコンで仕事の作業らしきことをしていたり、大きな窓のそばでコーヒーを飲みつつ飛行機をながめていたり……と、ブルジョアな人らしき時間の過ごし方をしているものですが……
一瞬目を疑うことをしている２人組を発見！
萌えイラスト入りのカード広げてる！！！
これにはびっくりです。なんというか、アキバ系で人気があるようなイラスト入りカードを、あろうことか、ラウンジのブルジョアジーかつシックな空間に超展開しているのです。
２人から漏れ聞こえてくる会話の内容も、「改造少女の……」「チャームの使用法について」等……よくわかりませんが、何らかのカードゲームの類をプレイしているようでした。こ、この人たちは、もしかしたら仕事でやっているのかもしれない……思い切って、声をかけて聞いてみることに。
まず、２人が遊んでいるのは、「アクエリアンエイジ」というトレーディングカードゲームだそうです。
「エクスパンションや構築済みデッキ・プレミアムデッキも何種類も出ている人気のトレーディングカード」と説明されましたが……とりあえず、とても人気があるモノだということは理解できました。
２人が利用する飛行機はビジネスクラス。座席も広くテレビ付き。
ビジネスクラスの機内でもこんな感じで楽しんでいます。
「エコノミークラスの座席だと、アメリカまでじゃ身体がキツイからね」
「そもそも、机が小さいからアクエリアンエイジができない（笑）」
今回は仕事ではなく、プライベートの渡米だそう。サンディエゴで行われる、「ＣｏｍｉｃＣｏｎ」という、アメリカ版のコミケみたいなものに参加するそうです。
２人はネットで知り合ったオタク仲間で、双方とも海外出張の多いビジネスマン。名刺をいただきました。「会社名は勘弁して欲しい」とのことなので掲載しませんが、一流企業のビジネスマン。英語もペラペラですが、「アニメ”ＣＣさくら”の英語版などで勉強してるよ」と語っています……筋金入りの、「エリートおたく」でした。
不況不況と言われる最近の経済ですが、このエリートおたく達のように、「たくさん稼ぎ、ガンガン使う」人がもっと増えれば、景気が良くなるのではないでしょうか。
空港ラウンジやビジネス・ファーストクラスの座席で、萌えカードが飛び交う。そんな光景が当たり前になったほうが、世界経済のためにはいいのかもしれません……
梅宮 貴子