同一犯？
被害の時期が異なる二人の女性の証言に整合性があるかどうか、徹底検証する。
5月3日（火） Ｕ子さん（２３才）
「どこですか？」とドライバーに尋ねた。「遠いですよ。西船です。」と言われた。
渋滞に遭い、客の自宅に着くまで車中で眠った。
午後１１時、客のアパート着。辺りは暗くて静かだった。客の扉をノックすると、すぐに蛍光イエローのトランクス一枚姿の男性が出てきた。見た感じ、年のころは30～35歳、色白で眼鏡をかけている男だった。身長は１７０以下、痩せ型。
『山下』と名乗ったその男は、ドライバーの「何分コースにしますか？」という問いに「90分で」と答え、料金を渡した。そしてドライバーは帰り、私一人が男の部屋へ入った。
部屋は玄関からすぐの所。通路沿いにキッチン、その向かいにユニットバス、通路の奥が部屋になっている１Kの造り。２段ベッドがある。下段が収納になっている。そこでプレイだと天井に頭がぶつかってしまうので、あらかじめ床にバスタオルとマットが敷いてあり、準備万端という感じだった。
Ｕ子さん
プレイ前の男はよく喋った。緑茶と烏龍茶に凝っていると言い、お茶を勧めてきた。湯飲みの中を見ると、明らかに普通の緑茶と違う色。全然透き通っていなく、くすんだ若草色で濁っていた。男はそれを普通に飲んでいるので、私も一口飲んでみた。すぐに男に「苦い」と伝えた。男は「この方が栄養が摂れるから」と言っていたが、私は正直もう飲みたくなかった。そうしたら男は湯飲みにお湯を足した。
まだお茶が飲み終わらない内に男は「この間、新潟に行ってきて八海山を買って来たんだ。お酒飲めるならどう？」と言った。私は「少しなら」と答えた。男に「じゃあその湯飲みに入れるからお茶全部飲んじゃって。」と言われ、飲み干した。そうしたら、湯飲みの底に溶け残った何かを発見してしまった。凄く恐ろしくなった。けれど、大丈夫だと言い聞かせた。ここで騒いだら何されるかわからない、と思った。
男は湯飲みをゆすぎ、八海山を3センチほど注いだ。男も飲んでいた。私はお酒に強く、そんな微量なお酒では酔いもしない。
男はよく喋った。神戸出身、神戸に彼女がいて遠恋している、など。
部屋に入ってから20分は話していたであろう。そろそろプレイに入ろうかと思い、シャワーに誘った。
が、男は「俺はさっき浴びたばかりだから一人でどうぞ。」と言い、私一人でバスルームへ行った。
一通り支度が済み、部屋に戻って驚いた。部屋が真っ暗になっていた。
その日までにたった二日しかバイトしてなかったけれど、真っ暗にするお客様なんていなかった。
それに湯飲みの件もあって早く済ませたいと思い、寝転がっている男にまたがろうとしたら「ちょっと待って待って。横に寝て。」と言われ「？」と思いつつも添い寝というか男の横に寝転がった。
そして胸を触られたと思う。
写真
そこから突然記憶がない。すっぽりない。
一瞬記憶が戻ったのは、男が私の上におおい被さった姿勢で「中出ししちゃった」と言った時のみ。「え！？」って言ったかどうかは覚えていないが、ひどくビックリしたのは確か。しかし、そこからまた記憶がとんでいる。
次に記憶が戻ったのはその男の次の客の自宅で。しかもプレイ終了後、着衣状態で話していた（らしい）最中。自分がいるのがどこかも、目の前にいるのが誰かも分からないのでひどく動揺した。客の男から見たら頭おかしい女だと思っただろう。
事務所に報告の電話をした。事務所側はちゃんと聞いてくれはしたが「中出ししたって言った証拠がない」「何でその時に連絡しなかったんだ」「薬が入っていた証拠がない」「弁護士に相談しても難しいと思う」と言った。あからさまに客のほうが大事だという態度で、悔しくて悔しくてどうしようもなかった。帰宅後、妊娠の恐れ、画像・動画などを撮られてはいないだろうかという恐怖から、頭の中がパニックになった。
Ｕ子さんは、この日限りでデリヘル・東京○ブ○シーンを辞めた。
彼氏もいないＵ子さんが、この事件で子供を身篭ったのは事実。
睡眠薬を使う強姦魔は、俗にネクロフィリア（屍体愛）の愛好家が多いと言われるが、果たしてこの男は？
ー 次号、第二の被害者・唯さんの聴取と男のアパート捜索は今週末 ＢＯＳＳ ー