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「女の敵は女」 紅一点であることを死守したいおんな達  「おっさん政治」シリーズ3

前回、「なぜ、自民党は元アイドルを政治家にするのか」に続き「おっさん政治シリーズ」の第三弾です。

今回は「おっさん」にではなく、「おっさん政治」の枠組みで「紅一点」であることを死守、暗躍する女性議員の存在に焦点を当て、経験を踏まえて「女の敵は女」という現象が政治の世界でかなり露骨に繰り広げられていることを述べていきたいとおもいます。

皆さんは、いわゆる「ひな壇」に並んでいる政治家が「おっさん」ばかりであるなかに、もし「唯一の女性」が存在していたらどう感じますか? 多くの女性議員は自らが際立つために赤や白のスーツをとても好みます。私も含め、多くの国民はその女性議員を「特別な存在」として見ることかと思われます。

それほど「紅一点」であることの存在意義は大きいものです。そして本人も「紅一点」で居続けることの重要性を深く理解しています。ですから「ひな壇」に並ぶ女性議員が増えてしまわないように警戒を怠りません。なぜなら増えたら最後、「紅一点」であることの特権が失われ、多くの女性議員のなかのひとりとして位置付けられていくことになるからです。そうならないように、権力を持つ「おっさん」には媚を売り、自分よりも経験の浅い新人議員に厳しく接します。これはよくいる女性議員の典型的なパターンです。

とはいえ、それが誰の目にも明らかであるような愚行には及びません。やり方は極めて巧妙かつ周到です。例えば、表面上は真面目な顔をして「女性の登用」や「ジェンダー平等」が進まない政界を批判したりもするんですから本心を見抜くことは容易いことではありません。饒舌に、女性議員が増えることの「意義」を語ってみせたりもします。

しかしよーく観察すると、自分以外の能力ある女性議員の足を引っ張ったり、新人女性を登用するためのプロジェクトに難癖をつけて止めさせてしまったり、女性の利益になる政策に反対したりします。「おっさん」に忖度することを重要視するため、選択的夫婦別氏制度や性的なマイノリティなどのリベラル寄りの政策には反対の態度をとることが多いです。

つまりは、「紅一点」でい続けることによる特別扱いに「慢心」しており、その状態を変える気はないのです。実際に、「紅一点」という特権的地位に固執し、ほかの多くの女性議員を自分の競争相手と見做している女性議員が自民党にはたくさん存在します。もちろんそんな女性議員ばかりではありませんが、私が知る限り良識のある女性議員は少数派です。

その結果、「女の戦い」があちらこちらで勃発することによって女性議員同士の連携が弱まり、ひいては全体として女性が政界で活躍するための土壌づくりが阻害されてしまうのです。それが誰を利するかというと「おっさん」以外のなにものでもありません。

そう言えば、極めて強い権力欲を持ち、かつ、他の女性議員をライバル視することで「紅一点」の立場を堅持しているあの女性議員も、しばしば真っ赤なスーツを着ているなあ。

 

 女探偵 堺浄(さかい・きよら)

政治家を経て、生成AIやITを駆使し過去の事件を分析する女探偵に。社会科学領域の研究者(慶應義塾大学大学院を経てPh.Dr.)でもある。掘り下げたいテーマは、女性はなぜ政治の世界で「お飾り」になるのか、日本の「タテ社会」と「ムラ社会」は不変なのか、内部告発は組織の不条理に抵抗する最終手段なのか。

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