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若者の「孤立」と「貧困」――「闇バイト」に加担しないで!!

連日、強盗事件が起こっています。今このタイミングにおいても若者が「闇バイト」に応募し、犯罪に加担し、そして逮捕されていく。この悪の連鎖を止めたい。今日はそのことを書きます。

日本は、暴対法の施行(1991年)以降、警察の取り締まりが年々強化されています。そのため暴力団は自らの手を染めず、一般の若者を利用し末端の「実行犯役」に仕立て上げて犯罪を犯すという手法を取るようになったのでしょう。「闇バイト」の元締めは暴力団が組織的に関係している可能性が高いです。

警視庁への通報は「#9110」

 

本来ならば、暴力団組織と「普通の若者」の隔たりは大きく安易に共犯に誘い込むなどはできないはずなのに、現代のデジタル化の進展は、若者たちを次々と犯罪行為に加担させるようにな仕組みを提供してしまっています。以下は、「闇バイト」と関わらないために覚えておきましょう。

 

・「闇バイト」を掲載する専用サイトや秘匿性の高いアプリには立ち入らない(見るだけもダメ)

・友人関係やSNSを経由した勧誘に「叩き」(=強盗)、「逃げ」(=薬物売買で現金を持ち逃げする)など、よくわからない「隠語」がある場合は立ち入らない

・ハッシュタグに「#UD」(U=受け子・D=出し子)と書かれている場合は立ち入らない

 

いったい、どんな若者が「闇バイト」に加わるのでしょうか?

まず、「貧困」は若者を「闇バイト」に加わらせる最大の要因のひとつです。「闇バイト」は手っ取り早く高額な報酬を得るためのバイトとしては魅力的に映るのかもしれませんし、なによりも、匿名のまま仕事を請負うことができるとあらば、多少の犯罪に手を染めてしまっても大丈夫だろうなどといった発想が生まれるのかもしれません。

しかしそれは安易です。そもそも「闇バイト」システムは、大元締めである暴力団組織が末端の「闇バイト」に責任を押し付けるためのものですから、末端は無防備であり、必ずバレて逮捕されます。一旦関わると、個人情報を握られてしまうため、脅されたり強要されたりします。その場合も警察に通報するか、私立探偵を雇うか、周囲に、とにかく助けを求めてほしいです。

「闇バイト」は、若者の「孤立感」を巧妙に利用したものだともいえます。「闇バイト」の委託者(暴力団組織)は、若者の社会的な「孤立」を見抜き、彼らが犯罪に手を染めやすい状況を作り出した上で待ち構えているのです。「孤立」した若者にとって、組織から与えられる仕事は、連帯感や経済的安定を得る貴重なものとして映るのかもしれません。しかしそれは、単なる「擬似的な」連帯感であり、一時的なものでしかありません。繰り返しになりますが、「闇バイト」は末端に責任を押し付けるためのシステムであることを忘れないでください。

 

 女探偵 堺浄(さかい・きよら)

政治家を経て、生成AIやITを駆使し過去の事件を分析する女探偵に。社会科学領域の研究者(慶應義塾大学大学院を経てPh.Dr.)でもある。掘り下げたいテーマは、女性はなぜ政治の世界で「お飾り」になるのか、日本の「タテ社会」と「ムラ社会」は不変なのか、内部告発は組織の不条理に抵抗する最終手段なのか。

 

 

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