
「家賃が払えなくなったからといって、すぐに追い出されるわけではありません。」
そう話すのは、都内で賃貸物件を管理する不動産会社の担当者です。
近年は物価高の影響もあり、家賃の滞納に関する相談は珍しくないといいます。しかし、滞納の先に待っている現実は、多くの人が想像するものとは少し違うようです。家賃の支払いが止まると、まず管理会社や家賃保証会社から本人へ連絡が入ります。電話や郵送での督促を重ね、それでも連絡が取れない場合は、勤務先や緊急連絡先へ確認が行われることもあります。
「何か事情があるのではないか、と心配になるケースもあります。」
実際に部屋を訪ねると、すでに住人が姿を消していることも少なくありません。いわゆる「夜逃げ」です。部屋には家具や衣類、冷蔵庫の中身まで、そのまま残されていることもあるといいます。
「生活が途中で止まったような部屋を見ることがあります。」
一方で、もっと深刻なケースもあります。
郵便受けには督促状がたまり、新聞も何日分も放置されたまま。不審に思った管理会社が警察とともに部屋を確認すると、住人が室内で亡くなっていた―。こうした孤独死の現場に立ち会うこともあるそうです。
最近は、日本で働く外国人の滞納相談も増えているといいます。転職や帰国などで連絡が取れなくなり、残された家財の処分に頭を悩ませるケースもあるそうです。
もちろん、家賃を滞納した人すべてが夜逃げや孤独死に至るわけではありません。病気や失業など、さまざまな事情を抱えながらも、管理会社や保証会社と相談し、分割払いなどで解決する人もいます。
不動産会社の担当者は最後にこう話しました。
「私たちが見ているのは、単なる家賃の滞納ではありません。その人の生活が崩れていく過程に立ち会うことも多いんです。」
家賃を払えなくなることは、お金の問題だけではありません。その背景には失業、病気、孤立、家庭環境など、さまざまな事情が隠れています。
行方不明者の所在調査も、ガルエージェンシーへ。

櫻麗
猫と紅茶があればご機嫌です
