情報提供・ご意見ご感想などはこちらまで! 記事のご感想は一通一通ありがたく読ませて頂いております。

インフルエンザの予防接種を受けられない!深刻なワクチン不足の理由

今年はインフルエンザが流行せず、感染者数は例年と比べて激減したと報じられた。ところが、ワクチンの供給量も昨年よりも大幅に増えたにもかかわらず、予防接種を受けられないという状況が各地で発生している。当サイトに寄せられた読者からの情報に基づいて、現状を取材した。

 

厚労省HPより

 

11月中旬、情報提供者の両親はかかりつけの病院に、予防接種を受けたいと伝えた。すると、「ワクチンが久しく入ってきていないので、いつできるか分かりません」と言われてしまった。情報提供者の夫が通う別の病院に相談すると、予防接種は予約制になっており、12月上旬にようやく受けることができた。

 

 

当サイトでは、情報提供者の両親が通う病院に話を聞いた。10月に予防接種を開始すると、希望者が殺到したという。高齢者が多く、例年は予防接種を受けていなかったという人の受診も相次いだ。厚生労働省では、特に高齢者や基礎疾患を有する人は早めに予防接種を受けるように、9月の時点で呼びかけていた。

 

厚労省HPより

 

情報提供者の両親が11月中旬まで予防接種を受けに行かなかったことには、理由がある。インフルエンザは12月頃から流行り始めて、春にも流行することがある。ワクチンの効果の持続期間には限りがあり、あまり早い時期の予防接種は勧めないと、医師から助言を受けていたからだ。では、なぜ10月の時点で予防接種を開始するのか。

厚労省に尋ねたところ、その年のワクチンの供給が始まるのが9月末頃なのだという。つまり、10月に予防接種を開始すると決めているのではなく、ワクチンが供給され次第開始するというわけだ。ワクチンの効果の持続は5か月程度であり、10月に予防接種を受ければ春の流行時期もカバーできるという計算だ。

ワクチンは製造に時間を要するため、容易に増産できるものではない。ワクチンの安定供給の維持を図るため、さらなる工夫と検討が期待される。

 

高橋 

タイトルとURLをコピーしました