新人調査員が窃盗の初公判を傍聴してきました。
ただし窃盗といっても食料品1050円分の万引き事件です。しかしたかが万引きと侮るなかれ、経済産業省の発表では全国の万引き被害額は1日あたり約12億円以上とされています。金額の大小は関係なく、万引きは重大な犯罪なのです。
検察官の立証について、30歳前後の被告人K氏は「公訴事実に間違いありません」と全面的に認めました。ちなみに逮捕された理由は、K氏が逃走時にマイナンバーカードとキャッシュカードが入った財布を落としたからです。突発的な犯行だったのでしょうか。
犯行理由は「お金を使いたくなかった」というもの。当時のK氏はコロナに感染し2週間隔離され働けず金に困っていたとのこと。しかしK氏は以前にも万引き行為で逮捕されています。その際にK氏は悩み、自分は「窃盗症」ではないかと自ら診察を受けましたが、問題なしとの診察結果でした。
被告側の証人としては職場である港湾作業現場の直属の上司が証言しました。彼はK氏の勤勉さや誠実さを熱く語り「必ず自分が更生させるので温情をお願いします」と強く訴えました。
また、K氏が勤務する会社社長からは減刑願いの嘆願書が提出されており、そこには「出所後には正社員として雇用し、二度とこのようなことが無いよう皆で指導する」と書かれているとのことです。
K氏が現在の職場に仮就職したのは今年の7月です。それが今日までの間にこれだけ職場の人たちから好かれ信頼されているとはそれほどの好人物なのでしょうか。まだ新人の私ですが、これだけ支持されている被告もいるのかと感じました。
弁護側は、上記嘆願に加えて、現在のK氏は登録者33万人の有名YouTuberであり、港湾作業員としての賃金に加えそれなりの副収入も得ており金に困る状況ではないゆえに再犯は無いとの考えを示ました。
裁判官からの「今後、人のものは盗らないと約束できますか」との問いに被告人は「はい」と回答しました。検察は1年6ヶ月の懲役を求刑していますが、果たしてK氏の社長や上司の思いは裁判官に届くのでしょうか。
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