現在の明徳学園
かつての学校法人「明徳学園」の建物は、既に競売にかけられた後、不動産会社が買い取りテナント募集の看板が大きく掲げられている。
写真:現在の旧「明徳学園」建物
学校法人「明徳学園」は山形県山形市に所在し、30年以上地域の若人教育を担ってきた。
「明徳福祉専門学校」「明徳予備校」を運営し、多くの介護福祉士を卒業させてきた。
「私は金田充史氏に騙された。彼が他の地域でも同じような事をするのではないのか?」と今回取材を受けてくれたのは、学校法人「明徳学園」理事長の長岡由彦氏である。
穏やかな表情でありながら、時々強い言葉で金田氏を非難した。
写真:長岡由彦氏
金田氏と知り合ったきっかけ
令和2年 コロナの影響と地元に大手専門学校が出来た為、経営状況が悪くなった。また学校法人の後継者が欲しいと強く考えM&Aを紹介する会社から紹介を受けたのが金田氏であった。M&Aは1億円以上ものケースもあれば、500万円~1,000万円の範囲のM&Aなどもある。その当時20社くらいあった会社から紹介されたのが金田氏であった。
華々しい経歴
金田氏の履歴・職歴は華々しい。大手都市銀行に10年勤めた後に、都内を中心にクリニックを6つ開設している代表理事と自分の経歴を長岡氏に説明した。多くの病院を経営する実業家として接触してきたのである。
当時の長岡氏は彼を「多くの病院を経営しているから大丈夫だろう。」と社会的地位を評価したのである。しかし、当時の金田氏の名刺の名前は偽っており、説明された病院との関係も疑わしい。
写真:初めての名刺交換(名前の漢字が違う)
対等的M&Aから
当初は対等的合併のM&Aであった。長岡氏(山形)側2名・金田氏(東京)側2名の理事で始まったのだが、約2か月後金田氏自身が理事となりおかしくなりはじめた。
金田氏が学校法人の理事になってからちょうど1年が経った時期(令和3年7月29日)に、事態は大きく動く。
まずは、長岡氏側が告知もされていない理事会が勝手に開かれた。その理事会にて、虚偽の議題が勝手に決められたのである。決められた内容は、なんと「長岡氏とA氏(創業時から理事を長くしてきた男性)が高齢を理由により理事辞任の申出があり、理事会はそれを承諾する」というまるで出鱈目の理事会である。その後辞任した2名の後任に金田氏側の2名が就任されたのである。
そのわずか4日後(8月2日)の理事会では、学校法人とは全く関係が無い金融会社X社からの負債4,200万円を学校法人の不動産を担保として引き受けたのである。金田氏が自分で失敗した借金を学校法人に付け替えしたのである。なおX社の社長と金田氏は同じ中学校の同級生であり、金田氏いわく『自分がX社の株を100%持っている。金田=X社なのだ。だから大丈夫だ』と嘘を言っていた。
学校法人の経営
「職員4名の給料未払い、職員の共済年金の未払い、電気代・水道代の未払いなど、金田氏の学校法人に対する経営はとてもまともでは無く、学校にとって何のメリットも無かった。当時学校は電気がつかないから、日中の明るい時だけ仕事をしていた。とにかく彼は公共料金などを一切支払う事は無かった。ハンコを持っていたのは金田氏だけだったから、支払いの決定権は金田氏だった。結果としては金田氏はただ学校を食い物にしただけだ。」と長岡氏は言う。
長岡氏の反撃
金田氏配下の名ばかり理事たちが金田氏から離れ、反撃する長岡氏の説得に応じた理由も金田氏とのお金のトラブルが原因であった。金田氏からの給料未支払いが1年間滞ったり、強制的に保証人にさせられ精神的に参った理事が長岡氏側についたのである。金田氏の社員に対する日頃のモラルの低さが彼を裏切った原因だったと語る。
現在、学校法人「明徳学院」から金田氏側は一掃され長岡氏が理事長に復帰した。しかし、この3年で失った代償はあまりにも大きかった。
南野陽子さん
「私が南野陽子さんのお名前を知ったのは、金田氏を不審に思い探偵社に調査を依頼して初めてわかりました。金田氏が住んでいるマンションが南野陽子さんの名義だったので、二人がご夫婦である事を知りました。私は南野陽子さんにはマイナスのイメージもプラスのイメージも持っていません。ただ自分のご主人さんがしている事を知っては欲しいですけど‥。」と長岡氏は話す。
「金田氏が三重県や静岡県でも同じような事をやるのではないのか?と噂を聞きます。私への今回の取材で彼のやり方を広く知って貰いたい。」(同前)
現在長岡氏理事長は、山形警察署に金田氏を含め5人の前理事達を告発している。現時点では捜査中であり、どのような刑事事件になるのか事件として確定はしていない。
今後の目標
最後に記者は長岡氏に今後の目標を聞いた。
「そうですね。目標としては協力者を探して学校を再建したいです。世の中では介護福祉士はキツイというイメージがあります。でも需要はあるのですよ。必要なのですよ。そのイメージがある中でも専門学校と予備校を再建したいですね。」と語った。
記者の目
M&Aを進めたい企業は何かしら弱点を抱えている。順風満帆な企業はM&Aを希望しない。
今回は後継者が欲しい。と長岡氏はM&Aを進めたのである。
M&Aをする側とされる側では立場が異なるであろう。しかし学校運営での最高決定機関である理事会を虚偽に進行しその議事録を残すのは、一人芝居のだまし討ちと言われても仕方が無い。また、学校法人は一般的な企業とは異なる為に、地元の生徒さんありきのM&Aであって欲しかったと考える。
(記者)ガルエージェンシー仙台青葉・山形・郡山
松本 努

ガルエージェンシー仙台青葉 / ガルエージェンシー山形 / ガルエージェンシー郡山
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