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読者に一言モノ申す!

総合探偵社ガルエージェンシーが出版した『探偵怪談』(彩図社)から抜粋された記事が
『文春オンライン』にて紹介された。記事はYahoo!ニュースでも取り上げられた。

タイトル『ラブホで首を切る男』

ラブホテルに乗り込む

「ラブホテルに乗り込ませてください!」

 浮気調査で依頼者様がそうなるのは、よくあるパターンである。調査報告書を受け取るよりも、リアルタイムに激情の赴くまま一気にケリを付けたいという心理が働くのだろう。
依頼者様のご臨場は、実は私たち探偵にとってもメリットがある。調査で大変なのは、対象者がお泊りをした際の夜を徹した張り込み。依頼者様が現場にくれば、調査は確実に完了するからだ。

 今回の依頼人は40代のご主人。妻(30代)と浮気相手の男性(30代)がラブホテルに滞在していると中間報告をする。話している限りでは穏やかな性格である。
中間報告を受けた依頼者様は「もう駄目だ! 私もラブホテルに行って話をしたいです!」と語気を荒く要望した。なにか問題が起きてはまずい。責任者である私もラブホテルの現場に同行することになった。

 依頼者様の車だと奥さんにバレる可能性があるため、私の車を使用する。


※写真はイメージ

依頼者は妻のところに走り口論に

 張り込みをしている現場の調査員に連絡をして、依頼者と私が同行することを伝えた。
「絶対に手をあげないように。まずは冷静に話をしましょう」
妻の浮気相手とはいえ、暴力を振るえば立派な不法行為になってしまう。ホテルに向かう車の中で、何度も注意事項を確認する。

 ラッキーなことに到着後、30分もしないうちに妻と浮気相手がホテルから外に出てきた。依頼者様はドアを開けて後部座席から飛び出すと、妻のところに走っていく。そして妻との口論が始まった。
(なんだよ、打ち合わせと違うじゃないか! 喧嘩になるのかよ……)
私は内心、苦虫を噛み潰すような思いをしながら、すぐに依頼者様のもとへ駆け寄る。依頼者様、妻、浮気相手男性、そして私。何かあったときのための用心を兼ねて、当社の調査員がその様子を潜みながらカメラで撮影をしている。
依頼者様と妻は一気にヒートアップし声高になっている。

「なんであんたがここにいるのよ!」と依頼者様に言い放つ妻。
「おまえこそなんでホテルにいるんだ!」と依頼者様。
「あんた誰よ!」と私に向かって妻。
「私は探偵です。ご主人さんに同行しています」
「なんで探偵なんか雇ったのよ!」と妻。
「お前が浮気しているからだ!」と依頼者様。

「お前は誰なんだ?」と浮気相手に向かって言う依頼者様。
「誰だっていいじゃない!」と口をはさむ妻。
「誰だって良くはないだろう。同じ職場の人か?」と依頼者様。
「……(無言)」
「そうなんだな! なんか見たことあるぞ」と依頼者様。

ラブホテル突撃でよくある会話が続く。

 しかし、長年探偵をした私でも、次の行動は予想できなかった。

 なんだかんだと3人でもめて声高になっていたが、次の瞬間、浮気相手の男性が小声でつぶやいて異常な行動をとったのだ。
「(ニヤ)これで私に慰謝料は請求できなくなるでしょう!」
「??」
「??」
その場にいる全員が困惑している。
最初、私は彼が言っていること、やっていることが理解できなかった。

浮気相手の男性は、カッターのような刃物を持っており、笑いながら出し抜けにそれで自分の首をスパッと切ったのである。

飛び散る鮮血…浮気相手の行動の意図は?

 彼の首から鮮血が飛んできたので、私はスーツが汚れないようにとっさに避ける。
「キャー!! 何をしたの!! 助けて!!」と妻が叫ぶ。
まずは人命優先だと、私は冷静に119番と110番に通報をした。救急車がくるまで、男性を地面に横たえて様子を見た。

 奥さんは相変わらずあらん限りの大声で叫んでいる。それはそうだろう。さっきまで情事を行っていた相手が首から血を流して倒れているのだから。ここで取り乱さないほうがおかしい。

 ただ私は探偵。数々の修羅場を経験してきているので、少々のことでは取り乱さない。冷静に男性の傷を確認すると、それほど深くはない。
(この男、自殺する気はなかったな? 慰謝料を払いたくないのはわかるが、そのために自分の首を切るなんて、妻や子どもがいるワケありかな……?)
などと考えながら、横たわっている男性を観察する。

 騒ぎを聞きつけた従業員がホテルから出てきて、男性の首の傷をタオルでおさえて止血を試みてくれた。少し時間が経った頃、救急車が到着し、救急隊員が彼を確認する。切った場所が場所であったため、念のために救急搬送されることになった。

 その後、パトカーが6台やってきて、私も警察から事情を聴かれた。警察官10名ほどが一列になり、彼が持っていたと思われるカッターの刃を探すが、1時間捜しても発見できない。どんな刃物で自分の首を切ったのか、徹底的に調べている様子である。その間、ラブホテルは出入り禁止。滞在しているお客も帰るに帰れない状態になったのはかわいそうだった。

浮気相手の目論見は見事に外れて…

 後日聞いたところでは、浮気相手の男性は対象者の奥さんの同僚で、病院で緊急手術を受けた結果、一命を取り留めたそうだ。死ねば慰謝料は請求できないだろうという目論見は見事に外れ、半年後、依頼者様から慰謝料請求裁判を起こされたという。
結局、彼は自分を傷つけるだけ傷つけたうえで、慰謝料まで払うことになってしまったということである。命をかけて慰謝料を逃れようとしたが、神様はちゃんと見ていたということだろう。

 


 

以上が『文春オンライン』に掲載され、Yahoo!ニュースでも取り上げられた。その読者から、「作り話じゃね?」「なんでラブホにカッター持っていたの?」などの書き込みがあった。

読者に一言モノ申す!作り話じゃありませんよ!!心外ですよ。

写真:当時の現場写真

 

当時のICレコーダーの音声

(※生々しい音声ですので、気の弱い方はお控えください。)

 

ガルエージェンシーが嘘の記事を書くわけないじゃん! by仙台青葉 所長 松本努

 

ガルエージェンシー仙台青葉 / ガルエージェンシー山形ガルエージェンシー郡山
代表 松本努(0120-862-007)

探偵歴25年。宮城県、山形県、福島県を中心に3,000件の調査を遂行して
いる。弁護士と連携して調査を進める事が多い。
個人情報保護士/企業情報管理士/情報セキュリティ管理士/メンタルケアカウンセラー®/消防設備士(甲4)/防犯設備士/第3級アマチュア無線技師/第二種電気工事士/3級ウェブデザイン技能士など多くの資格を有している。
ガル東北・北海道ブロック長として、第一線でプロとしての仕事を誠実に遂行している。
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