先日、北朝鮮による拉致被害者の家族が主催する集会に参加する機会をいただきました。北朝鮮による日本人拉致は、1970年代から1980年代にかけて主に日本海沿岸の地域で発生しました。北朝鮮の工作員が日本人を拉致し北朝鮮に連れ去った目的は、工作員に日本語や日本文化を学ばせるためであったとされています。
2002年、当時の北朝鮮最高指導者であった金正日氏は、小泉純一郎首相との日朝首脳会談で日本人の拉致を公式に認めました。この会談を経て5人の拉致被害者が帰国しましたが、日本政府が拉致被害者として認定した17名のうちの一部に過ぎず、多くの被害者はいまだに北朝鮮に残されているとみられています。なぜ状況は変わらないのでしょうか。
1977年11月15日に拉致された横田めぐみさん当時13歳
外務省H Pより
日本の外交力の制約
日本は平和憲法と自衛隊の役割の制約から、他国に対し強硬な姿勢を取ることが難しい状況にあります。このため独自の強力な手段を講じることが困難であり、国際社会との連携に頼らざるを得ません。その結果、解決に膨大な時間を要しています。
軍事的抑止力の欠如
日本は報復攻撃や強制的手段を取るための軍事力を欠いており、これが北朝鮮に対する外交的優先度の低下を招いています。
北朝鮮の非協力的な態度
北朝鮮は拉致問題を解決することを自国の利益と見なしておらず、これが進展を妨げる大きな要因となっています。
要するに、日本が外交交渉を効果的に進めるためには、十分な軍事力が欠けている・・・。
そこで、もしアメリカで同様の拉致問題が発生した場合、アメリカ政府がどのような対応を取るのかをAIを用いて予測しました(ChatGPT Plusを使用)。その結果、アメリカが拉致被害に直面した場合、日本と極めて異なる対応をとるという推論に至りました。
威圧と特殊作戦
アメリカは北朝鮮に対して迅速かつ強硬な圧力をかける可能性があります。また、特殊作戦部隊による拉致被害者の奪還も視野に入れると推測されます。
主導的な役割
アメリカは国連や同盟国を巻き込む外交的手腕に長けており、経済制裁や国際的圧力を強めることで北朝鮮に対してより強い影響力を行使するでしょう。特に、トランプ政権下であれば「アメリカ・ファースト」を掲げているため、アメリカ国民の安全が最優先とされ、これらの対応が極めて迅速かつ強固に行われる可能性が高い。
拉致被害者やそのご家族のことを考えると、心が締め付けられるような思いです。しかし、日本が即座に軍事力を増強すべきだと主張することには慎重にならざるを得ません。どうすれば一刻も早くこの問題を解決できるのかを考えるたび、出口の見えない迷路に入り込んだような感覚に陥ります。それでも、被害者全員の帰国を目指し続けることが私たちに課された使命ではないでしょうか。
女探偵 堺浄(さかい・きよら)
政治家を経て、生成AIやITを駆使し過去の事件を分析する女探偵に。社会科学領域の研究者(慶應義塾大学大学院を経てPh.Dr.)でもある。掘り下げたいテーマは、女性はなぜ政治の世界で「お飾り」になるのか、日本の「タテ社会」と「ムラ社会」は不変なのか、内部告発は組織の不条理に抵抗する最終手段なのか。