まったく寝つけなかったのでバーボンをラッパ飲みしていたら電話が鳴った。
「・・あの・・・ご相談にお伺いしたいんですけど・・・・」
「あ、はい、どうぞ」
その頃は事務所の上階に自宅があったのですぐに依頼者に対応できた。声の感じから二十代前半の女性、午前2時ということは水商売か風俗に勤めているはずである。
彼氏の浮気調査かなんかだろう…。スパイと兼業の探偵業。こっちのほうがはっきり言って実入りが良かった。昨日落とした100万円も青山のご夫人からもらった着手金。あ~思い出すだけで力が抜ける。
ぴんぽ~ん♪ 依頼者が来た。
あっ!!思わず声が出た。このビルの一階の飲み屋に勤める
オカマの研ちゃんだった。
あれ?研ちゃん、どうしたの、悩み事?
オカマの研ちゃんはいきなり泣き出し、叫んだ。
私、前から渡邉さんのことが好きだったのっ!!今日イブでしょ?だからどうしても言いたくて・・
ごめんなさいっ・・・わあぁあぁあ~!!
泣き叫びたいのはこっちのほうだった。
もうどうでもいい気分だ。研ちゃんをソファーから抱き起こし、やけくそで唇を奪った。ち○ぽさえついていなければ、秋吉久美子にうりふたつの凄い美人だ。酒に酔った勢いで二人は結ばれる・・・・はずだったが、幸か不幸か、泥酔していたので、そのまま寝てしまった。
朝・・・・・玉子焼きの焼ける匂いがする。研ちゃんが料理を作っていた。ん?俺、パンツはいてない。しかもすっきりしている。私は飛び起きてうしろから研ちゃんを羽交い絞めにし、尋ねた。
抜いた?
研ちゃんは嬉しそうに、口を尖らせて指を中に入れた。
次の瞬間、泡を吹いて崩れ落ち、床に転がった・・・。
5人目の被害者は、私だった。
― 完 ― この物語はフィクションでした。