JR山手線に乗る外国人観光客が嵌る、意外な「落とし穴」とは?その対策は


先日に大阪で発生した大地震では、外国人観光客の避難対策が一部で問題になった。中国から京都へ観光に来ていた人物は、「日本語の緊急速報しか情報がなく、何が起こったか分からず困った」という(京都新聞・2018年6月19日)。緊急時に必要な情報が、日本語以外では必ずしも十分に提供されていないというのだ。

災害時に限らず、外国人観光客の混乱を招き得る状況は、日常の場面にも見られるようだ。東京都内を走るJR山手線に乗車した外国人観光客、特に日本語があまり分からない人々が嵌る、意外な「落とし穴」が長年にわたって存在してきたとの情報が、読者(以下、「A氏」と記載)から寄せられた。

A氏が問題視することの一つは、「大崎行き」や「池袋行き」の電車の車内案内表示の、従来の内容だ。大崎行きや池袋行きの電車の場合、その電車が当該の駅止まりであることが大きく表示されるのは、各駅を発車した直後だけだった。それ以降は、次の停車駅に関する情報が繰り返し表示される。終点についての情報は、左上に小さく表示されているため、見落としやすい。

 

 

もう一つは、車内放送の問題だ。大崎や池袋に着く前には、次が終点であると告げる自動放送が、日英両語で流れる。ところが、特に混雑していて車内が騒がしい場合など、放送を聞き取れないこともある。自動放送後、「この電車は大崎止まりです」といった、車掌によるアナウンスも行われるが、日本語のみである。

その結果、電車が終点駅に到着しても、そのことに気づかずに降車しない外国人観光客が大勢いたというのだ。車庫に入る前に駅員が車内点検を行い、その際に声をかけられて、終点であることに初めて気づく外国人もいる。それどころか、駅員が日本語で話しかけても理解できずに、混乱してしまう人々もいた。

 

 

A氏は、そのような光景を、これまで幾度となく目撃した。終点に着いても下車しない外国人を見かけたら、英語で話しかけて説明してきたという。「そんなに英語は上手ではありませんが、高校レベルくらいの英会話でも十分通じます。それなのに、他の日本人の乗客が外国人を放置していることに疑問を感じてきました」。

さらに、「なんで車掌さんや駅員さんが、英語で対応しないのか。車掌さんや駅員さんは、基本的な英会話能力を身につけておくべきではないか」とA氏は言う。「池袋駅で、乗り換えが分からなくて混乱していた外国人に、英語で説明している駅員さんを見かけたことがあります。他の駅員さんたちにも、見習ってほしいと思いました」。

そんなA氏の疑問や不満が、徐々に解消されつつあるという。その理由は、山手線の新型車両では、車内案内表示がより見やすく、分かりやすいものに改善されたということである。特筆すべきは、大崎行きや池袋行きである場合、終点駅に関する情報が、従来よりも目立つように表示されるようになったという点だ。また、駅ナンバリングが車内表示案内にも導入され、自動放送もそれに対応している。

 

 

 

 

山手線を管轄するJR東日本東京支社に尋ねたところ、車内案内表示は、新型車両の導入に伴って改善が図られたという。また、2017年春から実施された駅ナンバリングの追加は、新型車両だけでなく、従来の車両でも行われた。他の路線でも順次、表示内容のさらなる充実を予定しているとのことだ。ただし、現時点では計画段階であり、実施時期等の詳細は未定であるという。

A氏は言う、「新型車両がデビューした時、ディスプレイが増えたことや広告が多様化したことが評判になりましたが、車内案内表示が改善されたことも、もっと評価されていいはずです」。この意見には、記者も同感だ。外国人観光客に限らず、一般の利用客にとっても、より便利で分かりやすい案内が実現したことの意義は大きい。

 

高橋