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【心霊探偵】「怖い!お父さん助けて」第二話

第二話

(前回の続き)
泣いて怯える娘を抱きしめながらも、
本心では、そんなことがある筈がない、絶対あるわけがない。いや、あって欲しくない。

「本当にお化けがそこに居るんだって!!」と、半狂乱になって泣き叫ぶ娘に対し、
この子は、頭か心がおかしくなってしまったんじゃないだろうかと思ってしまう。
お腹が痛いとか、胸が苦しいとかなら、すぐに病院へ連れて行けばいい。
けど、こういう場合はどうすればいい?!

「大丈夫!大丈夫だから!」と、半分、自分自身に言い聞かせるのが精一杯だ。
だが、今、この現実をどうにかしなければいけない。パニクッた頭に瞬間浮かんだのは、
前の店でお世話になった、一人のお客様でした。

「この店は良くないね。あの山から真っ直ぐ霊道が通ってる。あそこから毎日のように霊が何人も降りて来ているよ。特にトイレが良くないね」
店の近くには小高い丘が在り、その頂上には、英霊塔が祀ってあります。
確かに、夜遅く店に一人で居ると、妙に人の気配を感じたり、トイレの方から物音がしたりと、気味が悪い思いをしていました。

「このお札をトイレに貼って、毎日水を替えてあげなさい」

半信半疑で、言う通りにしてみると、店の空気感が変わったように感じ、トイレからの物音もピタリと収まりました。
その時でさえ、半分はお客様だから無下に出来ないし、もちろん全てを信じたわけではありません。

でも、今は、あの人ならどうにかしてくれると、なぜか確信しました。


「そうだ!あの人だ!」携帯を取り出すと急いで電話しました。
しどろもどろになりながら、状況を説明すると、

「わかりました。直ぐに駆け付けたいのですが、今は沖縄に帰ってしまい伺う事が出来ません。ですが、なんとかやってみます」「この携帯をスピーカーにして、それの方に向けてください!早く!」

店長は急いで携帯をスピーカーにし、娘が指さした方向に向けました。

「違う!もっと右です!」
まるで、ここに居て全てが見えているかのようです。

やがて携帯から、とても低い、声とも音とも附かぬお経が聞こえて来ました。
一種の周波数を伴うのか、同時にキーンという凄い耳鳴りに襲われます。
恐る恐る、振り返った娘が「凄く怒ってる、止めろ!って言ってる」と教えてくれました。


そこからは、聞きたくない実況が始まりました。

真っ黒な眼球は、時折、顔全体まで広がったかと思うと、今度は逆に眼球が無くなり
大きな口だけの顔で、男のような声で止めろと叫んでいる。
携帯から聞こえるお経の声が、次第に大きくなるにつれて、そのものは窓際へと移動し始める。

「窓を開けて!」
ただ茫然と窓際に立ち尽くしていた嫁に向かって娘が叫んだ。

慌てて勢いよく窓を開け放つ。
するとそのものは窓枠に両手を掛けると、ヘビのようにズルりと窓の外に出て行った。

「出た!窓を閉めて!」
ガタガタと震える手で窓を閉め、両手で鍵を掛ける嫁。

その後、暫く窓の外で叫んでいたが、やがてそれは消えてしまった。らしい。
沖縄からの遠隔除霊に何度もお礼を言い、
少し落ち着きを取り戻した娘と、その夜は家族全員一つの寝室で一緒に眠りました。


翌朝、昨夜の出来事は何だったのだろう。夢とも現実とも附かない気持ちで目が覚めました。
明るい陽射しに安心したのか、子供たちも自分の部屋へと戻って行きます。

ですが直ぐに、「お父さん見て!」と下の妹が駆け戻って来ました。
今度は何だ、内心もう止めてくれと思いながら、「どうした」と子供部屋に入ってみると、
朝日に照らされた子供部屋の昨日の窓に・・・絶句しました。



無数の手の跡が付いている。

それを見た時、初めてお姉ちゃんの言った事は本当だったんだと、全身の身の毛がよだつのを感じました。


これはあくまでプロローグです。
ここから始まったのです。

私自身、言い訳出来ない事象に苛まれ、ついには事務所を移転せざるを得ないところまで追い詰められてしまう事になろうとは、この時には想像すら出来ませんでした。

続きは、又、ゆっくりとお話ししましょう。



ガルエージェンシー米子 (0120-21-9730)
開業から18年のベテラン支社。境港市、大山町、琴浦町、倉吉市、鳥取市、伯耆町、島根県松江市などを含む鳥取県西部全域にて主に活動中。全国上場企業や金融機関、弁護士や司法書士などの士業関係者からの信頼が厚く、多数依頼を受けている。

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