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【心霊探偵】「怖い!お父さん助けて」第一話

第一話

皆さんは、幽霊とか、お化けって信じますか?
この世には、説明出来ない不思議な事象が沢山あります。
そういうものに縁が無い方、又はせいぜいUFOやUMAと同じように、
エンターテイメント的に興味を示される方が殆んどではないでしょうか。

これからお話しする事に関して、信じるか信じないかは皆さんにお任せします。
ですが、それによって、
最終的には、開業以来18年間頑張ってきた事務所を移転せざるを得なくなった現実も又事実なのです。


今から一年前、行きつけの美容室に髪を切りに行った事からそれは始まります。
いつものように、店長と他愛もない話しをしていた時でした。

「そういえば、前回来られたあと、うちは大変だったんですよ」
「え、どうした?なんかあった?」
「置いて行かれたでしょ。女の人」
「・・・・?」
「その女がうちの嫁に憑りついて大騒ぎですよ」
「いや、待って待って!なんの話?ちゃんと教えて」

「話してなかったですっけ、うちの娘の事。視えるんですよ、霊が」
「いや、それは・・店長は本気で信じてるの?娘さんの言う事」
「最初はもちろん信じてなかったですよ。コイツ頭がおかしくなったと思いました」
「でも、あの夜・・・、あれがあってからは本当にあるんだなと思うようになりました」

店長には、子供さんが二人居て、上のお姉ちゃんが中学生になります。

そのお姉ちゃんが学校を終えて帰ろうと、校舎一階の渡り廊下の隣に在る美術室の前を通りかかった時でした。
教室の中に一人の女の人が立って居るのが見えたそうです。
先生か誰かだろうと思い、軽く会釈をして通り過ぎました。
それから何日間の間、美術室の前を通ると必ず女の人が見えます。
特に気にすることなくその度、軽く頭を下げました。
ある日のこと、いつものように美術室の前を通った時、ふと気になり、何気なく女の人の顔を見てしまいました。
女の人は、俯き加減の顔を上げ、こちらに気付くと、ニヤッと笑ったそうです。


その夜の事でした。

店長が一階店舗で片付けをしていると、二階の住居からけたたましい音を立てて妹が駆け下りて来ました。

「お姉ちゃんが大変!すぐ来て!」

店長は驚き、二階の子供部屋へと急いで上がってみると、部屋の隅でお姉ちゃんが膝を抱えガタガタと震えています。
「怖い!怖い!あっちに行って!」と泣きじゃくりながら「お父さん助けて!」と飛びついて来ました。
「どうした!何があった?」お姉ちゃんを抱きかかえながら店長もパニック状態です。
店長の胸に顔を埋めながら、右手だけを後ろのほうに指差し、


「学校の女の人が・・そこに居る・・・」


髪は腰の辺りまで長く、眼球は全て黒目。黄色いワンピースを着た女の人が、
笑いながら立っている。その顔が本当に怖い!
本当は今まで、他にもおかしいなと思う事が沢山あったけど、気にしないようにして来た。

「この人、人間じゃない!幽霊だ、しかも凄く悪い幽霊!だって頭が割れるように痛い!」

いくら娘が泣き叫んでも、店長も急には事態を飲み込めません。
でも、これから起こる事で、全てを信じるようになろうとは、この時の店長には想像すら出来ませんでした。


続く

ガルエージェンシー米子 (0120-21-9730)
開業から18年のベテラン支社。境港市、大山町、琴浦町、倉吉市、鳥取市、伯耆町、島根県松江市などを含む鳥取県西部全域にて主に活動中。全国上場企業や金融機関、弁護士や司法書士などの士業関係者からの信頼が厚く、多数依頼を受けている。

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