新人兄さん 寄贈
昨日の続き
2人減ったとはいえ、まだ予断を許さない状況には変わりがなかった。しかし、時間的にはかなり余裕ができた。→その油断が人生最大のピンチを招こうとは!
本命の彼女が消えたことで、23日に会うはずだった彼女を24日に回した。これで一人あたり10時間ほどのタイムスケジュールが組め、誰にも怪しまれずに済むはずだ。
ここで小さな誤算が起きた。飛び入りの調査を常連の依頼者から受けてしまい、クリスマスプレゼントを買いにいく暇がなくなってしまったのだ。まさか全員不二家のぺこちゃんセットで済むはずがない。ここで私はある妙案を思いついた。
当日、デートの最中に次に会う彼女のプレゼントを買う
今から思えば何とも恐ろしい計画だったが、非常に安易な気持ちで実行に移してしまった。
24日A組のデート当日、アルタ前で待ち合わせた私は、人でごったがえす1階のギフト売り場でプレゼントを買いあさっていた。まずは今日の2人分をゲット。何食わぬ顔で彼女と合流し、レストランで食事をする。この時、さっき調達したプレゼントを手渡し、夜まで一緒に居られない非礼をわびる。すると彼女はおもむろに口を開き
さっき買ってたプレゼントの子と会うからでしょ?
飲んでいたコーヒーを思いっきり吹く。まるで霧吹きのように彼女の顔を直撃した。
ち、違うよ。お母さんのだよ
とんでもない嘘が口から出てしまった。しゃっくりを止める技術を応用した嘘発見法を使うとは!?
この素人娘、ただものではない・・・。
やっぱり・・・じゃあ、このまま家まで行くっ!
私は承諾せざるをえない窮地に陥った。
仕方が無い、睡眠薬を飲ませて寝てもらうしかないな・・・・・。
― つづく ― いよいよ佳境へ!