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マスコミの皆さん、人々を誤解させる報道はやめませんか

JR品川駅でのテレビ局による強引なインタビュー取材が疑問視されているという問題を、先日の記事で扱った。この記事を読んだ読者から、「テレビや新聞の報じ方そのものにも納得できない」という意見が寄せられた。

品川駅については、コロナウイルス問題の発生以降も相変わらず混雑する駅構内の状況が、繰り返し報じられてきた。朝の通勤時間帯に、大勢の人々が改札からの長い通路を歩いて出口に向かっていく光景を撮影した写真や映像が、定期的に公開されている。

2020年5月7日の東京新聞夕刊1面の記事が、その一例だ。記事には、午前7時55分に駅構内で撮影したという写真がある。通路を歩く大勢の人々が写っており、朝から「大混雑」なのだという印象を受けた人もいるだろう。

 

 

上記の記事には説明がないが、この写真は望遠レンズを使用して撮影したものと思われる。望遠レンズを使うと、前後が圧縮される。その結果、手前と奥の距離感がなくなり、人々が密集しているかのような視覚効果が得られるというわけだ。

ほぼ同じ場所にて、当サイトが通常のレンズで撮影した画像を掲載するので、見比べてみてほしい。手前の「JR 品川イーストビル」、「JR品川駅」と書かれた案内表示から、奥に写っている通路両側のモニターまで、かなりの距離があることが分かるはずだ。品川駅構内のような長い通路で「密集」を演出するには、望遠レンズの使用が最適なのだ。

 

 

望遠レンズで撮影した記者も、人々を騙そうという悪意はなかったかもしれない。だが、よりインパクトの大きい写真を撮ろうとして採用した手法についての説明が一切なければ、人々はそのカラクリに気づかない可能性がある。そして真相を知った時、人々は「騙された」と思うかもしれない。

このような経験の積み重ねが、世間のマスコミへの不信感の一因になっていないだろうか。マスコミ関係者の方々に、ご一考いただきたいと思う。

 

高橋 

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