ボーガン(クロスボウ)を入手する者、もしくは既に所有している者に届け出を義務づける全国初の条例が、兵庫県で全面施行された。ボーガンを凶器として使用する事件が、県内で相次いだことが背景だ。ボーガンを有害玩具に指定する地域も増えている。
兵庫県HPより
こうした状況下で滋賀県では、ボーガンの所持等に関して条例で規制することを求める署名運動が展開されている。発端は、ボーガンを使用した猫の虐待事件が県内で発生したことだ。今年3月、猫の尻に約30cmの矢が刺さっているのが見つかった。その後、動物愛護法違反の疑いで54歳の男性が逮捕された。当該の猫を保護した人物こそが、署名運動の発起人だ。当サイトでは、発起人に取材を申し込んだ。
保護された猫は、発起人の家で飼育されている。手術を受けて猫は元気になったが、尻から胸にかけて矢が貫通したことの後遺症で、以下の画像のような姿勢でなければ眠れなくなってしまった。少しずつ体を丸めようとするが、うまくいかずに体を伸ばし、再び丸まろうとするといった動作を繰り返すこともあり、つらい思いをしているのだろう。発起人の膝に乗っていて、失禁してしまったことも何度かある。
県内では以前から動物虐待事件が相次いでいること、動物虐待行為に及ぶ者がやがて人間にも牙をむく可能性も考えられることから、凶器になり得るボーガンの規制は必要だという認識に至ったとのこと。ボーガンが各種の凶悪犯罪に使用されているにもかかわらず、その所持等に関する規制が十分になされてこなかったことは疑問であるという。
9月には、ボーガンの所持等に関する有識者の検討会を、警察庁が実施した。検討会では、規制の程度についての意見は分かれたが、何らかの規制が必要という認識は一致した。今後、ボーガンを法的な規制の対象とすることも含めて検討を進めるという。
※本記事に掲載の猫の画像は、署名運動の発起人提供。