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【イスラム国】常岡さん怒る「人質解放を妨害したのは公安」【交渉人】

戦場ジャーナリストの常岡浩介さんが22日、イスラム国の邦人人質事件を受けて、日本外国特派員協会にて記者会見した。常岡さん自身もアフガニスタンで拘束された経験を持つ。

「一昨年からイスラム国が支配する地域に3回入ってきた。ずっとチェチェン戦争を取材してきたのがきっかけで、シリアで闘うチェチェン人を取材しこのグループがイスラム国の司令官を紹介して、やりとりできる関係になった。」
その司令官の名はウマル=グラバーといい、昨年8月に常岡さん宛てにメッセージが届いた。湯川遥菜さんを拘束したのだが、同氏が英語もアラビア語も出来ないために意思の疎通が出来ない。通訳とイスラム法に基づく公正な裁判を行うので立会人・公証人になる人が必要としていると書いてあった。
ウマル司令官は湯川さんに会ったことはないが直属の司令官が湯川さんの処遇を決める立場にあるという。ウマル司令官は上司に通訳としてイスラム法学者の中田考さんを立会人・証人として常岡さんを推薦した。
常岡さんと中田考さんは9月3日に日本を発ち、6日にイスラム国の支配領域に入り、イスラム国の拠点都市・ラッカでオマル司令官と再会した。常岡さんは語る。
「ウマル司令官が私と中田先生を招待したからできたことです。司令官は湯川氏を身代金の材料にしない、見せしめのための処刑をしないというのがイスラム国の方針であると説明しました。」
ウマル司令官と上官は湯川さんと常岡さんらをあわせる調整をした。しかし、運悪くシリア軍によるラッカへの大規模な空爆があり、ウマル氏の上官と連絡がとれなくなり、常岡さんら二人はやむなく一時帰国。
次に10月7日にイスラム国に入り湯川さん奪還の交渉をしようと準備を進めていた。しかしその前日、常岡さんは北大生の私戦予備・陰謀の容疑で、警視庁の公安外事3課の捜査を受けることになった。
そして、取材のために準備したカメラやパソコン、スマートフォン、ハードディスクの他、イスラム国関係者の連絡先をすべて押収され、渡航が不可能になってしまったそうだ。取材源の秘匿・保護が不可能になり、常岡さんはイスラム国の関係者に捜査を受けたことを伝え、盗聴される恐れから連絡もとらないようにしてきた。

今回、湯川さんと後藤健二さんの処刑を予告する動画を見て、状況が完全にひっくり返っていることを知り驚いたと語る。
最後に怒りを込めて、

「湯川さんを助けられるかもしれない機会を奪った。彼がもし助かっていれば、後藤健二さんは無理してイスラム国の領域に入ろうとはしていなかっただろうと予測される。言ってみれば、警察の捜査が湯川さんの現在の危機的状況、後藤さんの危機的状況を引き起こしたとすら言えると思う。」
これが本当ならば、もし2人が処刑されたらその責任は解放交渉を阻害した日本の公安にある。一同は万死に値する。

 

探偵ファイル政治部

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