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「象徴天皇」 -うるわしき天皇皇后両陛下、いく久しくお幸せに-

天皇皇后両陛下がイギリス公式訪問を終え帰国されました。両陛下は、チャールズ国王、カミラ王妃と共に歓迎式典、馬車パレード、公式晩さん会、生物医学研究所、音楽大学、子どものための博物館、そして両陛下が留学していたオックスフォードを訪れたようです。わずか3日間の滞在とは思えないほど多事多忙な日程からも、雅子さまのご体調が随分と回復されたことがわかります。

雅子さまがご体調を崩し「適応障害」と診断されたのが平成16年(2004年)ですからもう丸20年。とても長い闘病生活ですね。皇室に嫁がれるというのは、我々のような一般の国民の想像を超えた重圧や息苦しさがおありなのかもしれません。それと「象徴天皇」という天皇皇后両陛下の存在のあり方も、我々が考えるほど単純なものではないのかもしれません。

「象徴天皇」とは、日本国憲法が示している通り天皇陛下が国の統治や政治に一切関わりを持たないこと、そして天皇陛下が及ぼす行為や影響を最小限に抑えるか、消極的なものに留めておかなければならないことを規定するものです。ですから天皇陛下も雅子さまも公の場での政治的発言はもちろんのこと、小さな意見表明程度であっても制限されています。我々一般の国民が享受している政治的表現の自由が、両陛下には認められていないのです。

加えて、天皇皇后両陛下、および皇室は神道に深く関わっており、その宗教的な役割が「象徴」としての地位に結びついています。これについても、我々一般の国民が享受している宗教の自由もありません。

つまり「人権」が極度に制限された状態で「象徴」として生存しているのが両陛下なのです。こうしたあり方は、天皇陛下の政治的機能に歯止めが効かなくなって戦争へと突入していった過去に立脚したものではあるにせよ、明らかに普通ではない生存の仕方に戸惑うのは当たり前のことかもしれません。

「象徴」として生存し続けることは、想像以上に曖昧な状態を生き抜くということを意味するのだと私は思います。人権が制限され、自分から主体的な行動を起こせない、という状態は、裏を返せば他の誰か、他の集団、他の国家などが、天皇陛下にかこつけて政治的支配を意のままにする危険があるということです。実際に、ご自身の意見表明や意思表示をすることが難しいお立場の天皇皇后両陛下は、最も政治的に利用されやすい存在ではないかと私は思うのです。

今日は「象徴天皇」について少しシリアスな記事を書きました。

色々なご意見があるかと思いますが。

 

 女探偵 堺浄(さかい・きよら)

政治家を経て、生成AIやITを駆使し過去の事件を分析する女探偵に。社会科学領域の研究者(慶應義塾大学大学院を経てPh.Dr.)でもある。掘り下げたいテーマは、女性はなぜ政治の世界で「お飾り」になるのか、日本の「タテ社会」と「ムラ社会」は不変なのか、内部告発は組織の不条理に抵抗する最終手段なのか。

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