ブラック企業大賞２０１５

パワハラ、セクハラ、残業代未払い、長時間労働、偽装請負など日本の労働環境は悪化の一途をたどり、これらの職場が「ブラック企業」と呼ばれるようになりました。しかしそこで働く当事者は、不当な処遇を受けても声を上げられる状況ではありません。このブラック企業大賞の主旨とは、ブラック企業を生み出す背景や社会構造の問題点を伝え、誰もが安心して働ける環境づくりをめざしています。

２０１２年は東京電力、２０１３年はワタミフードサービス、２０１４年はヤマダ電機と生活に密着した大手の企業がブラック企業の大賞になりました。２０１５年は以下の６社がノミネートされました。

（ブラック企業大賞実行委員会：アジア太平洋資料センター、ＰＯＳＳＥ、佐々木弁護士、レイバーネット等）

①株式会社セブン－イレブン・ジャパン
②暁産業株式会社
③株式会社フジオフードシステム
④株式会社エービーシー・マート
⑤株式会社明光ネットワークジャパン（明光義塾）
⑥株式会社引越社関東（アリさんマークの引越社）

今年は学生アルバイトを低待遇でフル稼働させるような「ブラックバイト」を問題とする２社がノミネート。地域によっても違いはあるが低時給のイメージといえば、コンビニのアルバイトが思い浮かぶ。セブンイレブンだけではなく、このような構造はコンビニ各社に共通するものではあるが業界内でも圧倒的な知名度を誇り強者であること、見切り販売の妨害で訴訟に発展したことからセブンイレブンが選ばれ、明光義塾は個別指導塾の最大手で子どもの教育を業とするものなのに、学生アルバイトへの賃金未払いや「コマ給」問題。各地の労働局から是正勧告が出されている為、ノミネートを決定したようです。

暁産業は消防車や消防設備などの販売や点検を行う企業。事業規模は小さいものの、上司からのパワハラが原因で１９歳の男性社員が首つり自殺。

フジオフードシステムは「まいどおおきに食堂」や「串屋物語」などの飲食店の運営をしている企業。過去にも労働局から是正指導があったにもかかわらず、長時間労働、割増賃金の不払いを続けている。

エービーシー・マートは全国で８００店の店舗を運営する靴の専門店。３６協定違反という基本的な法規範に対する違法行為。従業員を減らし過重労働させているせいか、最高利益を１６年連続で更新している。

アリさんマークの引越社は引越しによる荷物の運搬を全国展開する企業。荷物破損、車両事故などを起こした際、従業員に連帯責任を負わせ給料から天引きする代償システム。元営業職の男性をシュレッダー係に配転させ「罪状ペーパー」を全国の店舗に掲示するなど、他にも人種差別のような採用基準が疑われている。

個人的には、上司のセクハラから２０代女性が自殺に追い込まれたサイゼリヤをノミネートして欲しかったが、裁判が始まったばかりという事と労災認定の問題で見送りになった模様。

さて、２７日の２０時からウェブ投票がスタート。なんか真ん中が窪んで「アリ地獄」のような形に…