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レイプ犯と接触する

占い師Aの名刺を手に入れた。肩書きは「超心理セラピスト」名刺の裏には、学力向上、肥満解消、性の不感治癒(!)などの文字が並ぶ。いったいどこが占い師なのか。占いは本業?の玄関先に過ぎないことがよくわかる。電話番号は携帯電話のみ。事務所はなさそうだ。
私は女探偵に電話をかけさせようかと思ったが、まどろっこしいのと本気で危ない男なので、自ら電話をかけた。話法を駆使して、相手に警戒心を抱かせることなく、身分も、銀座のクラブの女の名前を拝借して、そこの客になりすました。
会ったのは京橋のルノアール。ここに来るのは何年ぶりだろう、と辺りを見回していたら男がやってきた。ずんぐりむっくりの体型、ジャンパーだけはシャネルで、あとはジャージという妙ちくりんな格好だ。それを見て思わず吹き出しそうになる。
なるほど、口調はさながらテキヤのようで、品が無い。勢いで押していくタイプだろう。一通り占ってもらったあと、私は、無理に垂らした前髪を元に戻して、話法を一気に変えた。1オクターブ、低い声になる。
「ところでAさん、私の女友達がお世話になったそうで」
ドキリとしたAは、それまでえらそうについていた片肘を上げ、背筋を伸ばす。
「はん、どこで?・・・あなた、どこの方?」
今度は逆にAの声のトーンが上がる。

・・・・・・・ このまま書くと小説調になり、長くなるので要点のみにします ・・・・・・・・

Aは自分の行為をあっさり認めたが、それを合意の上での治療のためだと言い張った。現に、今まで一度も訴えられたことが無いと啖呵を切る。もちろん、たとえ被害届けを出していても、被害者が訴えを取り下げたら終わりの犯罪。しかも、状況証拠だけでは弱く、私に相談してきた女性は、二人とも昨年の事件で、うち、一人は結婚を控え地元に戻っていた。
私は、自分の名刺を出した。Aは腰を抜かすほど驚く。幸か不幸か、私のことを知っていた。
Aは平謝りに謝ってきた。もちろん、金品を要求したわけではない。だが、念書を書かせた。往生際の悪い男で、言った通りに書くのに1時間もかかってしまった。これを、告白してくれた女性に見せて、今回は幕引きとしよう。
午後、女性と連絡を取った。「私と同じ目に遭う人が出ませんように」そんな思いに突き動かされて、彼女は自分の体験を語ってくれた。その辛い思いに報いるためにも、私は憎まれ者になろうと決めた。

 

 

Nさんからのメール

緊急避妊薬(モーニングアフターピル)といって射精後72時間以内なら、9割に近い確率で避妊できる薬があり、婦人科で出してもらえます。レイプに関わらず望まぬ妊娠をしない為にも、女性の方の自己防衛知識として、是非一般に広めて欲しいなと思いました。

自分が勧めるわけにはいかないもので(笑) Nさん、ありがとうございました。

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