ガルエージェンシー福岡中央が総力をあげて犯罪の端緒をつかみました。
ニセ探偵の古典的な犯罪で、これからも被害に遭う人が多いと思いますので、その手口などを公開しておきます。
まず、被害の内容を簡単に説明します。
探偵(名前は仮名で佐藤にしておきます)から、被害者のCさんにこんな電話が入りました。
私はあなたの妻に、あなたの浮気調査を依頼された者だ。私はあなたの不貞行為をつかんだ。しかし、これによりあなたの家庭が崩壊し、また、あなたの社会的名誉が傷つけられることは非常に不憫だと思う。もし、あなたがこの事実を30万円で買い取るのであれば、私は奥さんにこの事実を黙っていましょう。
Cさんの一報を受けて、佐藤をしばらくの間マークしました。
佐藤は連日、昼過ぎになると、福岡市内のラブホテル街を車で徘徊しました。(福岡市西区小戸のラブホテル街が主)時折停車し、各ホテルを出入りする車輌のナンバーを控えています。ある夜、JR博多駅、西鉄福岡駅周辺の有名ホテルのラウンジで、中年男性と接触しました。以下は、佐藤が接触した中年男性との会話の一部です。 (肉声も録音済)
・30万振り込んでもらえれば、奥さんにも会社にも知られずにすむのですよ。
・私を信用していないようですね、なんなら警察にでも行きましょうか?
間違いなく常習犯だと確信しましたので、スタッフに命じて佐藤に接触させました。
これが、接触したスタッフと佐藤とのやり取りです。(読み飛ばしても可)→ 報告書
獲物を狙う時の佐藤(仮名)
ターゲットと接触する時の佐藤
佐藤の車
この犯罪には、依頼者とターゲットから二重に金をせしめる、という手口と、今回の佐藤のように、ターゲットを自ら探して脅す、という二つのパターンがあります。いずれも足がつきやすく、本人がこの記事を読んで悔悛しなければ、いつかは逮捕されるでしょう。
問題は、もっと悪質な知能犯がいることです。援助交際をしている女生徒の親を狙う等は、なかなか事件になりません。レイプなどと同じで、被害者側が口を閉ざすからです。先日も、栃木県のある街で、ニセ探偵が公衆電話から親に脅かしの電話を入れるところを録音しました。(携帯だと通話記録が残りますからね)
上記の佐藤は、どこの団体にも属さないフリーの探偵でした。名刺を見ても、法人ではありません。この業界は許認可がなく、誰でも明日から「探偵」を名乗れますから、不倫は悪いこと、という人の弱みを巧みに利用する模倣犯は増え続けるでしょう。
さて、その福岡で、先日、このような新聞記事が出ました。
西日本新聞 2月9日(日) 朝刊
福岡市市内などの会社社長らに「身辺調査の結果、あなたが社会的に許されない事を行っている証拠を得た」などと偽り、現金を強要する脅迫まがいの文書が相次いで送りつけられている事が8日わかった。福岡中央・福岡西・福岡南の三署に寄せられた被害相談は十数件。福岡県警は、文書の内容がほぼ同じ事から、同一人物が身辺調査を装い、不特定多数の企業幹部を狙った恐喝未遂容疑事件とみて調べている。
下がその文書です。
警 告
あなたの人生に関わる重大なお知らせです。
あなたの身辺調査の結果、以前、あなたは、あまりに醜い、そして社会的にも許されない事柄を多々行なっていますね。身に覚えはありませんか?関係者からの証言、及びそれを裏付ける証拠となる文書・写真等がほぼそろいましたので、近隣地域への公表、マスコミ各社へのリーク等、様々な手段によって行ないたいと考えています。これにより、あなたが長年に渡って培ってきた社会的信用、地位は間違いなく失墜することでしょう。ただし、私共としてもこのような行為に及ぶのは本意ではりません。つきましてはこれらの事実をお買い上げ下さい。62万円にて手を打ちましょう。(調査費32万円含む。)
福岡県警の知り合いに聞いたところ「現段階で現金を振り込んだ被害はつかんでいないが、個人的問題や取引上のトラブルにつけ込もうと、大量に文書を送りつけている可能性が高い。」とのことです。
以上で不倫カップルに向けた警告的な取材報告を終了します。