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心中考

このまま愛する人と一緒に死んでしまいたい・・・みなさんは考えたことありますか?

3月のある寒い日、「新・近松心中物語」を観に行きました。阿部寛、寺島しのぶ、田辺誠一らの若いキャストに加え、音楽は宇崎竜童、衣装が辻村寿三郎と、どの要素をとっても異色でした。まるで現代劇のような躍動感溢れる展開で、息を呑むシーンも多く、素晴らしいの一言です。
この物語は、実際に起こった事件をモチーフにしたものです。愛した女郎のために公金を横領した番頭。二人は追っ手に追われ、吹雪の山中で絶命し、茜色に染まります。

 

 

悲劇の心中事件は数々ありますが、現代において、さして問題が無さそうに見える若者の心中が続発し、大人は総じて何故だろう?と首を捻ります。

突然ですが、私は心中を考えたことがあります。
自殺欲の強い女性を好きになりました。目の前の自刃も経験しました。
彼女を愛するあまり、止める、止めないの理屈以前に、一緒に死のうか、という欲求が沸いてきます。自分には死ぬ材料も覚悟も無いのに。
その時、女性を愛するというのは、魂を持っていかれることなんだな、と思いました。抱き合っている時も刹那を強く感じて、求め合う激しさは増し、果ててもその慟哭はいつまでも消えないのです。
相手を失う辛さは嫌だから、自分も逝ってしまいたい・・・そんな感じとは違います。あえて形容するならば、結ばれながら、このまま(至福のまま)魂と魂を引き替えにしたい、でしょうか。こんな幼稚な表現しかできないほど、理不尽で不思議な空間が生まれるのです。

 

 

 


打算や支配や誘導から始まる愛は愛とは言えない。恋した女性の全てをこの身で感じたい。
痛みや苦しみや悦びは、いつも一緒に。

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