【指 令】
「パンツ売りの少女」を探し出し、連絡をとること。
【制 約】
(1)稼動する調査員は1名のみ
(2)「全国ネットワーク」は使用禁止
(3)「特殊情報ルート」は使用禁止
(4)費用のかかる探偵術は一切禁止
(5)現地(北海道)へ行くのは1回のみ。
K支社長「予算の都合上、探偵社としての機能を使うことは一切禁止だ。個人の裁量で調査してもらう。」
無理難題である。
そもそも「一個人の力」で探し出せるようなものなら、依頼者はわざわざ探偵なんかに頼まず、自力で探し当てるだろう。
個人でできることなんかたかが知れてる。
K支社長「金○一もコ○ンも個人だぞ。しかも学生だ。本職の探偵が負けてどうする。」
あんな珍しい連中と一緒にするな。こっちは、どこにでもいる「普通の調査員」。 無い知恵を絞って推理に推理を重ねても、泥沼にハマってしまうのが常なのだ。
K支社長「それをなんとかするのがおまえの仕事だ。ためしに顔にパンツを被ってみろ。秘められた力が目覚めるかもしれんぞ、おまえの場合。 」
変○仮面か、私は?
「変○仮面」と「コ○ン」と比べるのか?
「変○仮面」に「コ○ン」と競えというのか?
戦えというのか?
勝負になるのか?
いいかげんにしろ支社長。
泣き言をならべていてもはじまらない。
とりあえず、手元の手がかりの検証にとりかかろう。
手がかり(1):パンツの山
これはさすがに何の手がかりにもならない。使い道があるとしたら、頭にかぶって集中力を高めるくらいか。
一応、かぶってみたりする。
手がかり(2):学校の制服(依頼者がパンツと共に買い取ったもの。)
これはありがたい情報だ。どの学校の制服かを特定できれば、居住地域を絞り込むことができるかもしれない。
手がかり(3):女性の顔写真
いっそのこと、この写真をモザイクなしで公開して情報を募りたい。
しかし何ら犯罪を犯したわけでもなく、ただ「パンツを売っただけ」の少女の顔写真を公開するわけにもいくまい。
手がかり(4):依頼者が聞いた女性の情報
名前:松崎 もえ(仮名)
年齢:18歳
あくまで「仮名」だ。何の事件性もないのに名前を公開するのはさすがにまずい。もっとも、それが本名だったら、の話だが。
居住地域:北海道
その生活:・両親と同居している
・母親に借金があり、アルバイトをして家計を助けている
・アルバイトは3種類
「服飾店の店員」「スナックなど水商売」「コンビニの店員」
とはいえ、全て「もえちゃん」が自分で言っているだけの話だ。本当であるという確証はない。
その他、メールアドレスもわかっているが、こちらは既に変更され、使われていない。
手がかり(5):パンツを送られた時の「郵便局」の消印
岩見沢郵便局の消印。現時点で一番ありがたいのはこの情報だ。
「もえちゃん」の居住地は「北海道岩見沢市」もしくはその近隣ということが推定できる。
これが札幌市などという人口の多い場所だったらただではすまないところだった。
と思っていたら……
手がかり(6):パンツを送られた時の「宅急便」の送り状
(あ……ハマった。)
手がかり(5)が示すモエちゃんの住所は「北海道岩見沢市」
手がかり(6)が示すのは「札幌市東区○○町」
くいちがう。それみろ。
いきなり行き詰っちゃったじゃないか。
→続く
※次回掲載予定は全くの未定
※この記事では皆様の推理、情報提供、感想などを募集しています。
大阪・九坪