盗撮行為に及ぶ人々が集団を結成し、集団のホームページや各自のInstagram等で「成果」を公開しているとの情報が、読者から寄せられた。メンバーは、写真家やそれを志す人物が中心だ。東京都内の路上や電車の中で撮影した画像が多い。撮影許可を得て写したと思われるものに混じって、明らかに盗撮である画像が少なからず見られる。
撮影された当人がネット上に公開されることを望まないであろう画像や、人権侵害の可能性もある画像が、数多く掲載されている。一例として、電車内で居眠りをしている人々を撮影した画像、警察に職務質問される様子を撮影した画像などである。これまでに公開した画像を集めた出版物も刊行しており、ホームページでも販売している。
特に悪質なのは、東京藝術大学大学院に在籍する学生による撮影内容だ。路上に座ったり寝転んだりしているホームレスの人々を盗撮した画像を、大量に公開。それらの画像には、人々の顔もはっきりと写っている。盗撮した相手に「この画像をネット上に公開します」と撮影後に宣言したら、了承してくれる人は少ないのではないか。
いわゆる「ストリート写真」と呼ばれるものについては、様々な意見がある。できる限り撮影対象者に許可を得ること、それが無理な場合には顔は写さないようにすることなどを、マナーとして提唱している人々も多い。一方、撮影された当人が知らないまま、その画像がネット上に半永久的に出回り続けることを問題視する声もある。
当サイトでは警視庁のサイバー犯罪対策課に相談し、集団のホームページを確認してもらった。迷惑防止条例に規定されている猥褻目的での盗撮行為ではないため、条例違反という理由でただちに画像の削除を命じることは難しいそうだ。ただし、盗撮された当人らが被害届を提出したり、集団に対して訴訟を起こしたりすることは可能であるという。
続いて、東京藝術大学の学生課に連絡を取った。学生による盗撮行為や、その画像が公開されていることは、把握していなかったという。学生は自身の撮影した画像を「アート」と称しているが、芸術という名目でホームレスの人々を晒し者にすることを、大学は了承するのか。そのように尋ねたところ、詳細を調べて対応を検討するとのことだった。
※モザイク加工は当サイトによるもの