
人事院は先日、就職氷河期世代を対象とした2026年度の国家公務員中途採用試験について、応募者数が5,116人だったと発表しました。
「ついに国が氷河期世代の救済に本腰を入れたか」と美談として受け取るメディアもあるかもしれませんが、実態を冷静に見る必要があります。実はこの中途採用拡大のトレンドは、ここ数年の間で急に出てきた話ではありません。2010年代前半頃から徐々に進んでいた施策の延長線上にあるものです。言っちゃ悪いですが、純粋な氷河期世代への救済措置というよりも、昨今問題視されている公務員の深刻な人手不足対策という面の方が強いというのが実際のところでしょう。
今回の受験資格は「学歴・職歴を問わず、1966年4月2日~1986年4月1日に生まれた人」となっています。対象年齢の幅を持たせ、かなり門を広く開いているように見えます。しかし、冷静に考えてみてください。もし50代の人が合格して採用されたとしても、10年も経たないうちに定年を迎えてしまい、すぐに職場を去ることになります。人手不足の穴埋めで入った人材が、仕事に慣れた頃にいなくなるのでは非効率極まりありません。
いっそのこと、こうやって中途採用された公務員については、定年を80歳ほどにまで引き上げて、長く勤務させればいいのではないでしょうか。
この件について、人事院に「この採用は氷河期世代の救済を謳っていますが、実態は単なる人手不足の穴埋めではないのですか?」と問い合わせたところ、「決して人手不足の穴埋めというわけではなく、あくまで就職氷河期世代の救済目的でやっている」とのこと。
採用された方々が、単なる一時的な数合わせとして消費されないことを祈るばかりです。

探偵華盛頓
政局・政治・選挙ウォッチャーを10年近く務めています。
