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余人をもって代えがたい人“樹木希林さん”

数々の映画やドラマ、CMで活躍してきた、敬愛する女優 樹木希林さんが9月15日、がんのため75歳で亡くなった。長年、樹木さんのファンである私は相当にショックを受けた。樹木さんが出演された作品は、ナレーションだけの出演も含め、どれも心に響くものばかり。なかでも映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』は良い作品で、強く印象に残っている。これは、リリー・フランキーさんのベストセラーになった私小説を映画化したもので、母親役を樹木さんが演じている。

母と子、母と父、父と子という関係を、作者リリーさんの実体験に乗せて、お互いが持ち続けていた“真っすぐな愛”を描いた感動のドラマ。樹木さんの若い頃を、娘の内田也哉子さんが演じており、夫とは子供が幼い時に別居し、最後はがんで亡くなる・・・・という樹木さん自身にリンクしていて秀逸だった。松尾スズキさんの脚本も味があり光っていた。


〔 「東京タワー」より 〕


ハンセン病の元患者役で主演した映画『あん』では、一人黙々と餡をつくる老婆の姿に切なくも尊いものを感じ、後光が差しているかのごとくであった。この映画では孫の内田伽羅さんと共演している。


〔 「あん」より 〕


全身をがんに犯されながらも、最後の最後まで女優として演じ続けた強い精神力はどこから養われたものなのか・・・・あまり知られていないが、樹木さんは信仰心が厚く、「希心会」という新興宗教の会員だった。これは私の会社がある神奈川県厚木市に本部があり、法華経を教義とし、教団運営は質素を旨として、会員の寄付やお賽銭をもらわず、会長や支部長などの幹部は無収入で運営されている宗教団体。この希心会は日蓮系なので、山梨県にある“七面山”という信仰のお山に登るのだが、これに樹木さんも熱心に参加され、亡くなる数年前までお山に登られていたそうである。樹木さんのお名前の希林の“希”は、希心会から一字をもらって付けられたようだ。


〔 七面山1 〕 


 〔 七面山2 〕


そして人生の達人でもあった樹木さんは、生き方、死や老いについて深い言葉を残されてきた。
度肝を抜かれたのは、10月29日に朝日新聞と読売新聞の全国版朝刊に掲載された宝島社の企業広告だ!
樹木さんの死生観、人生観、恋愛観、仕事観から地球人に向けた2つの最後のメッセージ!
この言葉に改めて樹木さんは、“余人をもって代えがたいひと”であると沁々と感じた。



〔 朝日新聞より一部抜粋 〕※クリックで拡大
あとは、じぶんで考えてよ。(キャッチコピー)
絆というものを、あまり信用しないの。期待しすぎると、お互い苦しくなっちゃうから。
だいたい他人様から良く思われても、他人様はなんにもしてくれないし(笑)。
迷ったら、自分にとって楽なほうに、道を変えればいいんじゃないかしら。
演技をやるために役者を生きているんじゃなくて、人間をやるために生きているんです。



〔 読売新聞より一部抜粋 〕※クリックで拡大
サヨナラ、地球さん。(キャッチコピー)
靴下でもシャツでも、最後は掃除道具として、最後まで使い切る。人間も、十分生きて自分を使い切ったと思えることが、人間冥利に尽きるんじゃないかしら。そういう意味で、がんになって死ぬのがいちばん幸せなのよ。
用意ができる。片付けして、その準備ができるのは最高だと思うの。
ひょっとしたら、この人は来年はいないかもしれないと思ったら、その人との時間は大事でしょう?
そうやって考えると、がんは面白いのよ。


ガルエージェンシー西神奈川 代表・樋口 恵里
前職はブライダル等のコンサルタント業。困難な状況下での情報収集に非凡な能力を発揮し、高品質の調査報告書は有効な裁判資料として弁護士からの信頼も厚い。日々ご依頼者様の心のケアに心血を注ぎ、良き相談相手でありたいと努めている。

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