サッカーの試合終了後やハロウィンの時期などに、人々が集まった場所に大量のゴミが散乱するという事態が問題視されている。そのような場所では、清掃ボランティア活動が行われることが多い。清掃ボランティアの参加者たちが拾ったゴミは、その後どのように処分すべきなのか。この点をめぐって、読者から情報が寄せられた。
当サイトでは昨年11月に、自動販売機の近辺に空き容器入れがほとんど設置されていないという問題を扱った。原宿(東京都渋谷区)では、自販機等で購入した飲み物の空き缶やペットボトルを捨てる場所が非常に少ないというのだ。大通りに面して設置されている複数のゴミ箱も、近辺は人通りが多いため、すぐに満杯になってしまう。
昨秋の取材の時点では、上記のゴミ箱は、お世辞にもきれいとは言いがたい外観だったが、その後に塗り替えられて装いを新たにした。「ペットボトル・かん・びん」、「その他」と書かれており、その下にはイラストも描かれている。ゴミ箱を利用する人々に分かりやすい形で、分別を呼びかけているのだ。
とはいえ、今もゴミの回収が追いついていないようだ。当サイトが現地を訪れた時も、ゴミ箱は満杯になっていた。あふれ出たゴミが、周辺に散乱している。それらのゴミを拾い、街の清掃ボランティア活動を展開しているグループが、いくつか存在するという。だが、そうした活動の過程で、思わぬトラブルが発生することもあるようだ。
情報提供者は言う、「拾ったゴミが入ったレジ袋をゴミ箱に入れようとした人が、『公共の場所にそんなに大量に捨てていくな、持ち帰れ』と言われて、口論になっているのを見たことがあります」。その人物は「私のゴミではなく、落ちていたのを拾ったものです」と説明したが、相手は「そんなの関係ない、持ち帰れ」と罵倒したという。
この問題に関連して真相を調べてほしいことがあると、情報提供者から依頼があった。「ゴミ箱の裏手に、大量のゴミが入った大きなポリ袋や紙袋が、いくつも置かれていることがあります」。ゴミ箱には入らないため、清掃ボランティアの人々が目立たない裏手にポリ袋を置いていくのではないかと、情報提供者は推測する。
当サイトでは、近辺の道路を管理する東京都建設局の道路管理部に話を聞いた。担当者に確認してもらったところ、当該のゴミ箱は表参道の商店組合が東京都の第二建設事務所に占用申請を出して設置したものであることが判明。商店組合では地域清掃活動を行っており、集めたゴミの入った袋をゴミ箱の裏手に置いているという。
そのことについては、ゴミ収集担当も把握し、了承しているとのことだ。このように、「清掃ボランティア活動で拾ったゴミをどうするかということについて、公的機関に確認して了承を得ている」と説明できるならば、もし先述のような口論になったとしても、相手の誤解は解けて納得してもらえたかもしれない。
拾ったゴミが大量である場合、それらをボランティアの人々に全て持ち帰れというのは、気の毒な話だろう。そうだとすれば、「拾ったゴミの入った袋を置いていける場所を確保すること」、「袋を置いていくことについて、ボランティアを行う側は事前に公的機関の了承を得ておくこと」、この2点に関わるルールの整備が必要だ。