入山して少し行ったところに、コンクリートで出来た小さな要塞のようなものがあった。周囲には何も建ってない。覗いてみると部屋が1つで真ん中に椅子がポツン。
拷問部屋かよ。
結構な傾斜を登っていく。開発しようとしたが途中でやーめたの典型的な山だった。車が通れるかどうかギリギリの道は経年劣化でアスファルトも割れ、草木がびっしり生えていた。
何が怖いって
猪が怖い。
でかい糞だらけだ。彼らの領地に無断で足を踏み入れたことを意味する。
なのにこっちの装備は草刈り鎌一丁だ。いつ襲われてもおかしくない。いざとなったら麻生を囮にして逃げるしかない。
ていうかいつになったら現地に着くんだ。急こう配で息も上がってきたぞ。
途中、完全に道が無くなった。航空地図を頼りに林を突破する。
あった…。
この土地の所有者、松井氏のメールを思い出す。
近くの不動産屋に頼んで300万円で売りに出してますよ。父が買った当時は400万円でしたから。
ちゃんと区画整備された土地ですから安心してください。
「安心してください」という甘い言葉が何度も頭の中に鳴り響いた。
あんしんしてくださいあんしんしてくださいあんしんしてくださいあんしんしてくださいあんしんしてくださいあんしんしてくださいあんしんしてください
もう騙されない。タダで土地を入手する作戦は今回で終わりだ。
50万円までお支払いするからライフラインがあって車で行ける土地か建物をください。→コチラ
(※現在は募集しておりません)
BOZZ(渡邉文男)