情報提供・ご意見ご感想などはこちらまで! 記事のご感想は一通一通ありがたく読ませて頂いております。

動物愛護管理センターを批判した保護団体、登録抹消処分! その実態を取材

「助かるはずの犬が理不尽に殺処分された」と徳島県の動物保護団体「ヨンナナ」が暴露して騒然となったことを、先月の記事で扱った。その後、徳島県動物愛護管理センターは、ヨンナナの「団体等譲渡登録」を抹消した。それ以降、「センターの動物の扱いには問題がある」として、ヨンナナは暴露情報をSNSで立て続けに公開している。


新たな暴露情報

ヨンナナが新たに暴露した情報の一つが、センターの衛生管理の問題だ。ある犬は、屋外の狭い檻に数日間放置されて衰弱死したと、ヨンナナは主張する。センターは1日に3回見回りに行っているというが、ヨンナナが訪れた際にはドッグフードにカビが生えていた。センターはそれに気づかなかったのか、あるいは放置していたのかと疑問視する。

 

 

 

殺処分の判断の妥当性についても、問題提起がなされている。ある猫に関して、「この子は骨折していて圧迫しないと尿が出ないので、動物福祉の観点からただちに処分する」とセンターは主張したという。ところが、ヨンナナがその猫を引き取って病院で検査すると、骨折の事実はなく、排尿に関しても異常が見られなかったというのだ。

 

 

この猫の健康状態が回復するのを待ち、保護された地域の近辺でチラシを配った結果、飼い主が見つかり、無事に引き取られたという。その他、短期間のうちに大量処分を行ったことや、その基準を問題視する情報等も掲載している。こうした問題に関して、センターに質問状を出しても納得のいく回答が得られないと、ヨンナナは批判する。


なぜ登録抹消か

このたびヨンナナの団体等譲渡登録を抹消するに当たって、センターは主に三つの理由を挙げている。第一に、所定の時間外に無断で施設内に立ち入り、譲渡動物選定基準に適合しない犬を連れ出そうとしたこと。第二に、SNS等で虚偽の情報を発信したこと。第三に、これらの点についてセンターの申し入れに応じなかったこと。

 

個人情報が記されている箇所に、当サイトにてモザイク加工を追加。

 

当サイトでは、センターに話を聞いた。担当者曰く、ヨンナナがセンター関係者の発言として書いていることの中には、職員当人には一切記憶のない内容や、曲解されたとしか思えない事柄が多数含まれているという。保護団体の協力は欠かせないが、信頼関係のある相手でなければ依頼できないと、センターでは判断したという。

また、「センターは立て続けに殺処分する」という批判については、保護された個体が「病気に感染している、怪我をして苦痛を伴っている等の場合には、その日のうちに処分せざるを得ないこともある」と担当者は述べた。こうした対応がとられるのは、「緊急的な措置が必要な場合に限る」として、ヨンナナとの認識の不一致があると説明した。


ヨンナナの反論

ヨンナナに再度取材を申し込んだところ、登録抹消については納得しがたいという。時間外に無断で施設に立ち入ったというのは事実ではないと、ヨンナナ代表は主張する。スタッフの一人がセンターの就業時間前に現地に到着し、職員に挨拶した上で施設内に入っていった。普段と全く変わりない行動だったという。

こうした行動に対して、これまで注意を受けたことは一度もなかったにもかかわらず、なぜ今回に限って問題になったのかと、ヨンナナ代表は疑問視する。それは登録抹消の口実にほかならないのではないかと、推測しているそうだ。また、職員が来るのを待つ間、施設内の犬に餌を与えただけであり、不正に連れ出すことはしていないという。

虚偽の情報を流しているとされる点については、具体的に何が虚偽であるのかという説明はセンターから一切なかったとのこと。SNSにて発信している情報は、全て事実であるという。これまでに暴露した情報に関しては、職員の発言も含めて、いずれも録音・録画されており、その記録に基づいて書いていると、ヨンナナ代表は語った。


おわりに

このたびの取材でも、両者の主張は平行線をたどった。センターは「信頼関係を築けない団体とは取引できない」と強調しており、関係の修復は難しいように思われた。直接の関与ができなくなったことで、従来とは異なる形での対応の可能性をヨンナナでは検討しているというが、それを具体化するには時間を要するはずであり、容易ではないだろう。


高橋 

タイトルとURLをコピーしました