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富士フイルムの動画が炎上、写真家による路上での無断撮影は常態化していた!

先日、富士フイルムが公開した動画に非難の声が殺到して炎上するという騒動が発生した。写真家の鈴木達朗氏が路上で人々を撮影する様子を収録したものであるが、その内容が問題ではないかと物議を醸した。すると、動画は短時間のうちに削除され、同社は謝罪のコメントをホームページに掲載した。

 

 

「いい写真が撮りたい」という鈴木氏。動画では、路上を歩いている人々の前方に鈴木氏が突然立ちはだかり、カメラを向ける場面が次々に映る。相手の顔の前で接写し、撮影対象になった人物とぶつかってもお構いなしだ。鈴木氏にカメラを向けられていることに気づき、足早に立ち去る人々の姿も。動画では、撮影対象になった人々の顔も晒されている。

 

 

 

「自分でも分かんないんですよ、なんでそんな相手のプライバシー・ゾーンのこんな近い所で撮んなきゃいけないのかっていうのは」、「テンションっていうか、瞬間的に刹那的に撮って、いわゆるダイナミックな感じで写真に残したいってなって、そうするとああいう撮り方に自然となっていった」と鈴木氏は述べている。

動画を閲覧した人々からは、鈴木氏の強引な撮影手法への異論が続出した。富士フイルムが自社の宣伝を目的に、撮影対象となった人々の同意も得ないまま、動画を公開したことを疑問視する声が多かった。そもそも、動画の公開前に、その是非や公開の影響を十分に検討していれば、こうした事態には至らなかったはずだという意見もある。

鈴木氏がSNS等に掲載している内容も注目された。特に批判が集中したのは、Instagramに公開されていた画像だ。鈴木氏が公衆トイレ内で撮影した画像には、放尿中の男性の顔や性器が写っている。こうした場所で撮影することの問題や、さらにその画像が堂々と公開されていることは、常軌を逸しているというのだ。

 

 

本件は富士フイルムが謝罪するだけで済むことなのか調べてほしいという依頼が、読者から寄せられた。当サイトでは、動画の撮影が行われた渋谷駅前のスクランブル交差点(東京都渋谷区)付近を管轄する警察署に連絡を取った。応対した担当者自身は、今回の騒動を把握していなかったという。そこで、本件の概要と経緯、問題視された点などを説明した。

ネット上では、鈴木氏による路上での一連の行為を「盗撮」と非難する声も多い。だが、担当者曰く、鈴木氏の行為は、東京都の「迷惑防止条例」に規定されている「盗撮」には該当しないという。条例では、「人の通常衣服で隠されている下着又は身体」を対象とした撮影行為を「盗撮」と定義しているからだ。

ただし、プライバシーや肖像権など、その他の論点も含めて本件を検討する余地はあるだろう。また、トイレ内で撮影された画像は、明らかに問題があると言えそうだ。動画や画像の確認方法を尋ねられたので、関連情報を警察に提供した。捜査の妨げにならないように、担当者とのやりとりの詳細を記すことは控えるが、本件の実態を調査するという。

前出の読者曰く、「渋谷では海外からの観光客や、日本人のカメラマンらしき人たちが、通行人にカメラを向ける行為が常態化しています」。情報提供者自身も過去に2回、渋谷で見知らぬ人物にカメラを向けられた。1回目はスクランブル交差点を横断中だったが、突然の出来事に呆気にとられ、用事で急いでいたこともあり、何もできなかった。

2回目は、ハチ公像の付近で男性にカメラを向けられ、その場で抗議した。撮影した内容を削除するように要請すると、男性は「違法なことはやっていない」と釈明。「違法かどうかはともかく、撮影したものを消さないならば、今すぐ警察を呼びます。それとも、交番へ一緒に行きましょうか」と言うと、男性は舌打ちしてデータを削除した。

 

無断撮影した人物に対して情報提供者が抗議した場所の付近の様子。

 

人々が行き交う路上で無断撮影を繰り返し、それを「商売」にしている人間が、少なからず存在する模様だ。ちなみに、鈴木氏は自らの撮影行為及びその成果を公開することへの「覚悟」を、日頃から熱く語っていた。それにもかかわらず、今回の騒動では、Twitterの過去ログを全て削除してしまい、アカウントも非公開設定になった。


※モザイク加工は当サイトによるもの

 

高橋 

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