先日、原宿・竹下通りが大混雑していると報じたフジテレビ「バイキング」に対して、「捏造」であるという批判が殺到した。その後、「17日の様子」として紹介した映像は、実際には3月に撮影されたものであると認めて謝罪した。
過去の映像であると見破られた理由の一つは、マクドナルドの店頭に「てりたま」のポスターが掲示されていたことだ。これは期間限定の商品であり、既に販売を終了している。また、人々の服装も今の時期のものとは思えないと指摘された。
このたび、竹下通り近辺の企業に勤務する読者から情報が寄せられた。問題の映像には、注目すべき点が他にもあるという。それは、右側手前に映っているショッピングモールの入口付近だ(画像の赤線で囲んだ部分)。「近頃、ここにはマスクが積まれています」。だが、映像内にはマスクが見当たらず、商品の並べ方も以前の状態だという。
当サイトが現地を訪れて確認したところ、情報提供者の指摘通りだった。箱入りや袋入りなど、各種のマスクが売られている。マクドナルドのポスターも、現在は「てりたま」ではなく「チキンタツタ」だった。
今回訪れたのは週末だったが、「混雑」とは到底言えない状況だ。衣料品店で話を聞くと、「これでも、しばらく前と比べたら、ずいぶん人が多くなっています」という。営業を再開する店が、徐々に増えてきたのが理由ではないかとのことだ。
別の店では、こんな話も。「連休の少し前くらいに、テレビの取材だという人たちが来ました」。番組名も名乗らずに、「このへんに人が集まるのは何時頃ですか」と尋ねてきた。「最近は、いつも空いていますよ」と答えると、帰っていったそうだ。
「こんなに混雑している」という映像をなんとか撮影したい、放映したいという気持ちが先行した取材は、本末転倒ではないだろうか。現地の様子を誇張なく正確に伝える報道こそを、視聴者は望んでいるはずだ。