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養殖マグロの「天然」偽装が横行?仲卸業者に真相を聞く


熊本県産とされるアサリの産地偽装が発覚し、非難の声が相次いだ。その過程で、「マグロの偽装行為も横行しているのではないか」との噂がネット上に広まった。根拠とされたのは、豊洲市場(東京都江東区)の仲卸業者「松井水産」のブログの過去ログだ。2012年12月の記事で、タイトルは「天然と養殖の定義」。

「クロアチア(天然)」と表示されたマグロの切り身。だが、どう見ても養殖だという。「養殖の生け簀で飼育された魚でもひとたび外に出てしまい、外の定置網なんかに入ると、表示上は『天然』となるわけです」。養殖の網から逃げたと推測できることを客に示して販売するというが、たとえそのように説明したとしても、「天然」として売らざるを得ないことには葛藤があると告白した。

 

 

こうした話題が注目されるのは、過去にマグロの「偽装」疑惑が世間を騒がせたからだ。都内の鮮魚店が長崎県壱岐の天然マグロとされるものを販売したところ、現地は禁漁期間中との指摘が。すると、壱岐沖での一本釣りに間違いないことを確認したと、店は説明。釣ったのは壱岐の漁師ではないとのことで、自主禁漁している地元関係者に謝罪した。また、実際に業者が産地を偽装した事件も報じられている。

 

 

 

当サイトでは、松井水産に話を聞いた。養殖の網から逃げ出したと思われる個体が「天然」として売られるのは、マグロに限ったことではないという。網から意図的に逃がしているのかと尋ねたところ、可能性は低いだろうとのこと。広大な海に放流しても、その個体が漁師の網に入る確率は決して高くなく、あまりにも非効率だからだ。

天然か養殖か、素人でも区別できるのか。この問いに対しては、「難しい」との回答だった。やはり消費者は業者を信用して買うしかないようだ。信頼を損なう偽装行為は許しがたいが、消費者も不正確な情報や噂話に惑わされないように賢明にならなければならない。

 

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