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有名百貨店、足の不自由な客に「配慮を欠いた設計」と疑問の声

「足を怪我して、初めて不便さに気づいた」。昨秋に片足を負傷して歩行が困難になった直後、行きつけの百貨店で想定外の事態に直面したという。そのように語る情報提供者が問題提起するのは、百貨店のフロア設計が足の不自由な客への配慮を欠いているのではないかということだ。

例として同氏が挙げたのは、小田急百貨店新宿店と伊勢丹新宿店(いずれも東京都新宿区)。店内のトイレの半分くらいが、階段の途中の踊り場に設けられているのだ。これらのトイレを利用しようとすると、階段を使うしかない。「都心の大きな百貨店で、このような問題が放置されてきたこと自体に疑問を感じる」と情報提供者は批判する。

 

 

 

階段を経由せずに辿り着けるトイレを使えばよいではないか、という意見もあるかもしれない。だが、店内は広く、健常者でも移動に時間を要する。階段を使わずに利用できるトイレが近くにない場合、足の不自由な人にはとても不便だ。しかも、階段の踊り場にしかトイレが設置されていない建物もある。

 

 

松葉づえを使いながら階段を上り下りするのは、思いのほか厳しかったという。「私の場合は一時的な怪我でしたが、高齢者、身体障害者、車いす利用者の負担は、かなり大きいのではないでしょうか」。特に車いすの場合、階段の上り下りの介助がなければトイレに辿り着けないというのは、「バリアフリー」とは程遠い状況だ。

各店に話を聞いたところ、トイレの利用に階段を使わなければならないことについて、「(不便だという)そのような声をいただくことはあります」と応対した店員は述べた。古くからある百貨店では、踊り場にトイレを設置している場合が多いとのこと。建物の構造上、そう簡単に改修できるわけではないようだ。

小田急百貨店は周辺の再開発工事に伴い、今秋に本館の営業を終了する。跡地に建てられる予定の施設では、問題が解消されることを期待したい。

 

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