「出前館」のサイトをスマホで利用する場合に、思わぬ「落とし穴」が待ち構えているという。読者から寄せられた情報に基づいて、実態を調べた。
出前館のサイトに最初にアクセスした時、確認画面が表示される。情報提供者が問題視するのは、「プライバシーポリシーに同意する」のみならず、「確認後LINEアカウントと連携する」にもデフォルト設定でチェックマークが入っていることだ。
プライバシーポリシーに同意しなければ、サイトを利用できない。そのことは珍しくないので、説明をよく読まずに、つまり、デフォルト設定のままではLINEと連携されることを理解しないままに、「確認して閉じる」をクリックする人々が後を絶たないようだ。LINEと連携したくなければ、チェックマークをはずす必要がある。
自身の意に反してLINEとの連携がなされた結果、「ブロックや削除をしても通知が届く」、「出前館のサイト内にも連携の解除方法が見当たらない」などと、困惑する人々が続出。このような表示や設定に問題はないのかと、情報提供者は疑問視する。
当サイトでは、本件を総務省に尋ねた。昨年、総務省ではネットの閲覧履歴等の情報の利用に関する規制強化を検討した。これは、LINEの利用者情報を中国の企業が閲覧できていたことに端を発する。その検討過程で、LINEの各種機能に関連する問題は議論されなかったのか。
担当者曰く、特定の企業のサービス等を対象とした具体的な議論は行われていないという。個人情報保護法のガイドラインでは、利用者が抱える問題への対応の必要性を述べている。加えて、このたび同法の改正に伴い、苦情や相談の窓口をプライバシーポリシーに明示することが適切であると記すことになった。
これを機に、LINEの連携に関わる問題が改善に向かうことを期待したい。ただし、利用者も日頃から注意深くなければならないことは言うまでもない。