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病院内でのお散歩 そして遭遇


私が入院してる病院は怪我をした人達が集まり、男女同じ病棟で同じフロア。
入院患者の8割は女性という事もあり、隣や真向かいの病室が女性の病室である。
そして、コロナのせいで他のフロアへの移動は禁じられているのだが、その中でも様々な事に遭遇する。


手術が終わり車椅子で移動出来る頃である。
病室の隣にビルが建っていて壁しか見れないので、景色が見える窓の位置に移動した。
移動中ほかの病室の前を通るのだが、何気無くそちらに視線を向けると、80過ぎのおばあちゃんが濡れタオルを持ったまま病室を歩き回っていた。



全裸で。

私は、一瞬『進撃の巨人?』と思った。
おばあちゃんは私と目が合うとニヤッと笑ったので私は慌てて引き返した。
その後、松葉杖で動ける様になった私は食後の運動とリハビリを兼ねて、病院の廊下を散歩するのが日課になっていた。その際に隣の病室で入院しているおばあちゃんがいつも廊下の端にある窓から外を眺めてる様子を見かけた。

ある日、共有スペースの談話室にいた時である。
何か視線を感じて入り口を見ると、そのおばあちゃんがひょっこりと顔を出して私を見ていたのだ。
私は驚きで声をあげそうになるも、耐えて写真を1枚撮る。




おばあちゃんは私に手招きをしてきた。廊下の端にある窓際に移動する。
私はおばあちゃんがずっと窓から外を眺めている真相を知る事が出来ると思い、彼女について行く事に。

窓際に着くと、おばあちゃんは空を指差して私に言った。
「見て、満月」

私は空を見ておばあちゃんにこう言い返す。
「全然、満月は見えないね。そもそも昼だし」

そして、おばあちゃんはこう答える。
「昨日の夜だったら、見えたのに」

おばあちゃんなりのコミュニケーションを取る方法だったんだなぁと思い、私は「また、次の満月が見えたらいいね」と言い残し病室に戻った。


翌週、そのおばあちゃんは別の病院に移送された。

 





ガルエージェンシー松戸 代表・安和 大(0120-546-764
都内のガルエージェンシーにて約10年間、調査員として携わり2022年にて松戸市でガルエージェンシーの代表として開業。しかし、開業して間もなく足を派手に骨折し、入院する事に。様々な調査の中でも浮気・離婚・素行調査を得意としております。

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