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総合格闘技の魅力とは?

 

 病気療養のために入院していて時間の余裕があるので余計な話を書くと、私は総合格闘技が死ぬほど好きです。格闘技団体のアドバイザーもしていますし、可愛がっている格闘家もたくさんいます。

 なぜ私がそんなに総合を好きかというと、格闘家は僕ら一般の常識人が社会生活を送る中で喪失した何かを明らかに持っているからなんです。格闘家がどういう人種か簡単に説明すると、自分が一番強くて一番カッコ良いと真面目に信じています。自分の考え/直感が正しいと思っているので、世の中の常識なんて関係なし、周りのアドバイスも聞かずに我が道を行く良い意味でのナルシストばかりです。

 例えば、私が敬愛するK-Clannという総合格闘技ジム代表の横田一則くんは、とっくに現役引退して弟子の指導で忙しいはずなのに、何を思ったのか、突如として朝倉未来主宰の“ブレイキングダウン”の2月大会に選手として出場しちゃいました。しかもわざわざ10キロ以上も減量して。。。

また、昨年12月に詐欺容疑(那須川天心や武尊のサイン偽造)で逮捕された女子格闘家のぱんちゃん璃奈は、先週3月6日の大会でもう復帰して試合しました。詐欺で逮捕された人がわずか3ヶ月で社会復帰・仕事再開なんて、普通の世界ではあり得ません。

 このように、総合格闘技というのは世間の常識など通用しない、良い意味で野蛮で直感的で非常識で動物的な世界なんです。でも、だからこそ僕は関わり続けないといけないと思っています。というのは、今のままでは日本の将来は暗いとみんな分かっているのに、気がつくと僕らは常識に囚われ過ぎて、かつ妥協することに慣れ過ぎて、日本の残り時間は少ないのに何も行動を起こさなくなっています。これほどカッコ悪いことはないのでは?僕らがこの妥協から脱却するには、総合格闘家の非常識やアナーキーさに触れ続け、自分の反骨精神を高めるしかありません。だから総合格闘技の世界は大事なんです。

実際の試合での一流選手のハイレベルな攻防にもすごく刺激されます。それがお好きな人は、4月29日@代々木と5月6日@有明で開催されるRIZINの大会をぜひご覧ください。

そして、総合格闘技のもう一つの魅力、まさに僕が惹かれ続けるもっとドロドロした部分を体感したい人は、ちょうどRIZIN傘下のDEEPが3月25日に竹芝で興行を行うので、ぜひ会場でご覧いただければと思います。当日は私が会場の受付をやりますが、関係者の子供と選手が一緒に会場整理したり、女子格闘家はアイドル状態だったりと、総合格闘技のカオスをじっくり体験できますよ。

岸 博幸(きし ひろゆき)
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授、RIZIN(格闘技団体)アドバイザー。専門分野は経営戦略、メディア/コンテンツ・ビジネス論、経済政策。元経産官僚、元総務大臣秘書官。元内閣官房参与。趣味はMMA、DT、VOLBEAT、NYK。

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