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政治の噂話はいい加減なので話半分に!

 通常国会の会期末を6/21に控え、衆院解散・総選挙が近いのではという報道が増えていますが、政治の世界でのこの手の噂はいい加減なものと思った方が良いです。

 実際、広島サミット後から今までの僅か数週間の間に永田町界隈でどのような噂が飛び交ったか振り返ってみると、まずサミットが大成功に終わった直後の5月下旬には「これで支持率は大幅に上がるし、株価も上昇しているので、今が最大のチャンス。維新の選挙体制が整う前に6月解散、7月総選挙だ」という噂が主に飛び交いました。

 しかし、それから約1週間後の5月末には東京で自民党と公明党が揉めだし、かつ岸田首相の息子が総理公邸で親族と行った忘年会での不適切な写真が流出すると、
「公明党との信頼関係の回復や不祥事の記憶が薄れるのには時間が必要だから、7月の総選挙は難しい。秋か年末に総選挙だ」
「選挙区の候補者調整にまだ時間かかるし、岸田首相は自民党の役員を交代させてから選挙をしたいはずなので、選挙は秋以降だ」
と違う噂が主流になりました。 そして、6月に入ると今度は、
「来年秋の自民党総裁選で岸田首相を脅かす有力候補はいないので、その前に解散・総選挙をやる必要はない。だから総選挙は来年秋より前にはない」
と、今年は選挙はないという噂までまことしやかに語られる始末でした。

 それが今週に入ると、一周まわって元に戻ったかのように、「今月の国会会期末に解散して7月総選挙があるのでは」と盛り上がっているのです。 永田町関係者やメディアの政治部記者は、とにかく妄想を働かせて噂話をするのが大好きなので、このように短期間にコロコロと噂が変わるのですが、いかに政治がよく言えば柔軟で、悪く言えばいい加減であるか、この数週間で改めて実感してしまいました。。。 

 それでは実際にはどうなるのでしょう。私は、7月はないけど秋には総選挙があると思っています。公明党との関係が全面的に修復されていない段階では難しいはずだけど、一方で今年の年末には防衛費のための増税や少子化対策のための社会保障負担増という、国民に不人気な政策決定をせざるを得ないので、その前に総選挙をやっておきたいはず、と思っているからです。ただ、それに幾ら賭けるかと言われると、不透明なだけに1円も賭けられません(笑)

 

岸 博幸(きし ひろゆき)
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授、RIZIN(格闘技団体)アドバイザー。専門分野は経営戦略、メディア/コンテンツ・ビジネス論、経済政策。元経産官僚、元総務大臣秘書官。元内閣官房参与。趣味はMMA、DT、VOLBEAT、NYK。

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