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白バイ探偵が斬る~あおり運転の実態と危険性、取締りの実態と限界!

神奈川県内の東名高速道路で夫婦が死亡した事故がマスコミに取り上げられ注目されておりますが、最近注目されただけで、こういったことは以前から時々発生しておりました。実際、10年以上前になりますが、あおり運転で高速道路の本線上に停止したことにより後続車のワゴン車が衝突し、衝突したワゴン車の運転手が死亡した事故に私自身も臨場した経験があります。

この事故は平日の午前中、うす曇の決して見通しの悪く無い状況で発生しました。トラック同士の交通トラブルから1台のトラックが路肩から第一車線にはみ出し、後続車の前方を斜めに塞ぐように停車。2台目のトラックも路肩から第一車線にはみ出すように停止していたところ、後続から進行してきたワゴン車が停止させられたトラックの後部に衝突。更に衝突したワゴン車に乗用車が衝突するという多重事故になってしまいました。

その結果、ワゴン車に乗車していた運転手が死亡するという最悪の結果に。このように、以前から高速道路では大きな結果を招く事故が発生していたのですが、特に注目されることは無かったのです。

あおり運転の取り締まりとされている『車間距離不保持違反』は、高速道路であおり運転をしている者だけでなく、車間距離の狭い運転を取り締まっています。あおり運転であれば相手の車に近づき、更に左右に車両を蛇行させ自身の存在を前方の運転手に知らせるのですが、単に近づいて運転しているだけの者が多いのが事実。多くの運転手は速度に慣れ、一般道路と同じ感覚で車間距離が短くなっているようです。

取締り方法は違反車両の隣の車線でやや後方に位置し、車線の間に引かれたラインを目安に車間距離を測定します。ラインは白線と空白で20メートルになっているので、それを目安に測定するのです。栃木県警で取り入れた『ホークアイ』という機械を使用している場合もあります。しかし、実際に私自身が高速隊に在籍している時に導入されたので使用方法を体験しましたが、機材の導入費用や使用の条件等からか、取り締まり担当者からの評判はいま一つでした。

そして、『車間距離不保持違反』の検挙件数の約9割が高速道であるというのは、取り締まりの道路環境からで、あおり運転の発生件数とイコールでは無いというのが実態でしょう。

今回、東名高速道路で発生した事故のように、高速道路で停止した車両に衝突し死亡事故に発展することは非常に多いのが実態です。事故を起こした運転手は、「高速道路で止まっている車はいないと思った」と語ります。高速道路では通常止まらないという意識で運転している人がほとんどですが、前方に注意して運転するよう心がけましょう。


ガルエージェンシー埼玉北 代表・長野 浩和
前職は警察官。取締りのほか数々のキャンペーン、テレビ番組『警察24時』での取材対応も行う。優秀警察官表彰、管区警察学校での学業成績優秀表彰等多数の表彰を受賞。30年務めた警察を退職後、信条である「義」を貫くために探偵となる。

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