中野劇団員全裸殺人事件の裁判が始まった。
東京地方裁判所一番交付所には傍聴券を求めて約120名が集まる。
用意されている一般傍聴券は74名分だった為、パソコンでの抽選が行われた。
法廷場所は104号法廷(一番広い法廷)。
午前9時40分~手荷物を預け再度ボディチェックを受け出入り口に並ぶ。
開廷時間の午前10時を少し過ぎてから入廷。
東京地裁(任介辰哉裁判長)の裁判員裁判 初公判が始まる。
検察側:男性2名女性1名 弁護側:男性2名
変更になった罪名:住居侵入・強制わいせつ致死・殺人
戸倉高広被告(38歳)は、黒色のスーツ・白色のシャツ・紺色のネクタイ・黒縁のメガネ姿で入廷する。(逮捕時の映像に比べると痩せて顔色も青白く、頭頂部が薄くサイドが反りあがっていた)
▲逮捕時の戸倉容疑者 (入廷時も同様の黒縁メガネ着用)
罪名及び内容を告げられた後、戸倉被告は、
「わいせつな行為をしようとしていない。押し倒してはいない」とこの2点を否認した。
以下、検察・弁護人から報告された事件の真相を時系列でまとめた。
8月24日PM7:00~加賀谷さんは新宿で女子会・二次会に参加していた。
8月25日AM0:19 加賀谷さん中野新橋駅改札を通過する。
AM0:27 セブンイレブン中野弥生町2丁目店に入り「おにぎり1個 豆乳1パック」を購入。
AM0:29 同店を出る。
(セブンイレブンの防犯カメラ映像より、加賀谷さんの歩行作度を計算して 時速4.19m秒速1.164mと判明。セブンイレブン→自宅(サンヴェール)までの距離が280m、 よって4分0.55秒と推測される)
AM0:33(推定) 帰宅。
LINEのIDを交換したく、加賀谷さんの後をつけていた戸倉被告はマンション出入り口で声を掛けようとした。オートロックではなかったため直ぐにマンション内に入ってしまった為、慌てて中に入り物音がしている2階に上がり鍵を開けていた加賀谷さんに声を掛ける。
「うわぁ~」と大声をだされたので、口を手で塞ぎ部屋に入る。加賀谷さんは尻もちをつき倒れ、抵抗されたので室内にあった扇風機のコードで首を絞めた。
【その時、戸倉被告には男の声「早く!早くしろ!」というような声が聞こえ、自分の手が半透明になっていたと証言】
司法解剖結果 死亡時刻はAM0;50~AM1:00過ぎ
その後、嫌がることをしたら目を覚ますと思い、全裸にして乳房等を舐めた。
目を覚まさなかったので証拠隠滅のため界面活性剤(ボディソープ等)で乳房等を拭いた。
AM0:50~46分後
AM1:36 アーバイルGRANDE中野(中野区弥生町4-12-23)
防犯カメラに戸倉被告が左手に扇風機・右手にトートバック(中に黒い荷物)を持って
徒歩で移動している姿が確認されている。
AM2:00 同防犯カメラに徒歩で移動する戸倉被告が確認されている。
AM2:33 同防犯カメラに両手に荷物を持った戸倉被告が徒歩で移動している姿が確認されている。
アーバイルGRANDE中野
殺害現場(サンヴェール) 戸倉被告の当時住所(サカイ中野富士見町マンション107号)の中間地点にあるマンション
8月26日PM9:45 加賀谷さんの所属劇団・アルバイト先より警察に通報があり、警官が部屋に訪問。
PM10:03 応答が無いため、大家さん立ち合いのもと室内を確認する。
全裸遺体を発見する。
8月27・28・30日 加賀谷さんの実母が立会いで検証が行われた。
全裸遺体は、加賀谷理沙さん(当時25歳)、身長148㎝ 体重44.4㎏と確定する。
戸倉被告の足取り等について
8月23日 福島県矢吹町中町432(実家)より、荷物の整理に東京に戻ると母から6万円を貰い深夜バスで東京に向かう。
8月24日 元彼女Xに「西川口にいる。何度もしつこくしてすみません。会いたい」等のメールしていた。
PM1:27~PM3:09 西川口のホテルにてデリヘルを使用。
PM4:21 セブンイレブン中野弥生町2丁目店で飲料を購入している。
8月27日 マンション管理会社に連絡をして解約手続きをとる。
8月31日 中野区役所で転出手続きを行う。
9月7日 福島で転入手続きを行う。
9月17・18日 トラックをレンタルして荷物を運ぶ。
戸倉被告は、以前から記憶が飛んだりと精神科を受診している。
事件当日も、幻聴幻覚がみえていたと証言。
精神鑑定の結果、解離性人格障害と診断されるが責任能力には問題無いとされている。
裁判は、午後に入り証人尋問が始まる。
法医学教授 岩瀬博太郎医師による司法解剖所見
司法解剖場所 東京大学医学部研究センター
死亡原因 頸部圧迫による窒息死
首の全面表皮剥奪(薄皮がはがれている)、舌骨骨折(喉仏の上の骨)、顔面が赤紫にうっ血している。瞼・白目もうっ血している事から判定。舌骨骨折・表皮剥奪から全面より強い力(約15k)で絞められたと思われる。1分で呼吸困難、2分で意識がなくなる(この状態で人工呼吸を行えば助かる)、3分で脳死状態になる。
最後に、当時の恋人であった男性の証人尋問
宣誓時のみに涙声で声を詰まらせる。
加賀谷さんと事件直前にLINEしていた人物。
同年6月初めに劇団フルハウスのレッスンで知り合い、7月初めに交際が始まったと証言。
埼玉の自宅居間でテレビを見ながら食事、500ml缶ビールを飲みながらLINEをしていた。
当日、加賀谷さんはバイトをしていると思っていた。
8月25日AM0:17「そういえば理沙って誕生日いつ?」 既読
返信 AM0:20「ブルースリーと同じ日」
AM0:41「11月27日」
AM0:46まだ既読になっていなかった。
AM0:51~2既読になっていた。(以前はAM1時頃と証言していた)
(「月曜からよふかし」テレビのエンドテロップが出ていたことから時間が絞られたとのこと)
この時間帯は犯行時刻になるので検察・弁護人・裁判官から確認されるが、言っている内容が変わるので何度も何度も確認されていた。時間が無くなってしまい22日に続きをすることになり裁判官よりその場で出廷命令が出される。
弁護人より
2016年8月14日に戸倉被告の実家に行き婚約者と名乗り1時間以上いたと。
(当時の恋人だった男性、婚約者とは言ってないと反論)
2017年7月14日 拘置所に行き素性を明かさず戸倉被告に面会し「どう責任を取るのか?」と攻め立てたと告げられる。
余談ですが…何度も裁判傍聴していますが、初めて「意義を申し上げさせてもらいます!」を聞きました。(元恋人の尋問中に検察官の発言)裁判中の戸倉被告は、無表情でほとんど動くこともなく座っていました。
午後4時30分に閉廷。
まだ始まったばかりですで、判決までに本人尋問と他証人尋問もあります。
しっかりと真実を伝えて行きたいと思います!
ガルエージェンシー東京中野 代表・柿沼 信之(0120-605-789)
1997年開業。前職は警視庁警察官。テレビ・ラジオのレギュラー、ドラマ制作協力など多数出演、著書に『親子でまなぶ子ども防犯ガイド』など。いじめ問題・悪質化するストーカー調査では知人弁護士・警察とタッグを組み多くの案件を解決する。