テレビの動物番組、「子供に何をされても怒らない猫」の扱いは虐待なのか?


2018年2月21日に放映の「トコトン掘り下げ隊!生き物にサンキュー!!3時間スペシャル」(TBS)では、子供たちにいたずらや度を過ぎた行為をされても耐え続けるペットたちを紹介した。その中で取り上げられた、「最強!!ヤンチャ双子に耐えるネコ」の扱いに対して、「虐待ではないか」という非難の声が上がっている。

「ハニー」と名づけられた猫は、2歳の双子の女児たちから何をされても怒らない。猫はお腹を押さえられることを嫌がるというが、女児に抱えられても、ほとんど無反応だ。愛用の段ボール箱を女児に足で踏みつぶされても、特に反応を示さない。女児たちは猫を大好きなようだが、一日中かまい続けるため、猫は落ち着くことができない。

食事中にもかかわらず、猫は首に紐をつながれ、「お散歩ごっこ」と称して女児たちに家の中を連れ回される。首を強く引っ張られた猫がもがくという危険な場面も、2回あった。女児たちがもっと幼い頃に撮影した映像では、猫が紐で顔を何度も叩かれる様子も映っていた。女児たちが幼いことを分かっているから猫は怒らないのだろうと、母親は言う。

 

 

寝ているところを女児に顔を触られて起こされたり、女児に尻尾を足で押さえつけられて強引に伸ばされたりして、そのたびに猫は驚いている。最近の映像でも、猫を洗濯かごに閉じ込めて、その上に女児がよじ登るなどしていた。母親も、この猫は子供たちと遊ぶのがあまり好きではないと述べている。「いつもこんな感じで迷惑そう」という。

 

 

 

番組放映後、女児たちの行為は動物虐待ではないかと疑問視する意見が相次いだ。本件を、公的機関やBPO(放送倫理・番組向上機構)に通報したという人々もいる。すると、TBSの番組公式アカウントから、この件を扱ったツイートが削除された。そのことについて番組側は沈黙を守っており、人々の不信感を増長させる結果となった。

 

 

当サイトでは、一家の在住地域を管轄する保健所に話を聞いた。担当者によると、本件については人々から情報が寄せられ、把握しているという。ただし、実際の放映内容は未確認であるとのこと。何が「動物虐待」であるのかということについては、国にも都道府県にも明確な定義は存在しないという。

例えば、刃物で突き刺される、出血するといった、悪意があることが明白であるものに関しては虐待行為と見なされるのではないかと、担当者は述べる。一方、個々人の見方や価値観次第で、虐待か否か見解が分かれるような場合は、公的機関による調査等の対象にはなりにくいという。本件はそれに該当し、飼い主の判断に一任するとのことだ。

続いて、当サイトの読者で、捨てられた犬や猫の保護活動を行っている人物に本件を尋ねた。同氏曰く、現状での飼育方法が適切かどうかということに飼い主が無関心な場合には、問題解決につながりにくいという。重要なのは、猫にとって本当によいことかどうか、獣医などの専門的な知見に基づいて判断することであるというのだ。

例えば、猫が喜んで食べるからといって、人間の食べ物を分け与える飼い主が多い。しかし、その食品が猫にとっては健康によくなかったり、場合によっては致命的だったりすることがある。猫自身は、その食品が自分の健康を害するかどうか分からず、おいしいと感じれば大量に食べる。そのようなものを与えないようにするのは、飼い主の責任だ。

 

 

同様に、飼い主はかわいがっているつもりでも、実際には猫にストレスを与えているという可能性もある。つまり、飼い主が自覚しないまま、猫にとって不利益な飼育方法になっていることもあり得るのだ。番組に登場した飼い主も、そのような視点から現状を再点検して、必要に応じて改善を図るべきなのではないかという。

※モザイク加工は当サイトによるもの

高橋