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働き者がアリ地獄の餌食に!アリさんマークの引越社のような企業への対策

アリさんマークの引越社で働く従業員のAさん(34)は客の荷物の破損などを起こした際に弁償金を給料から天引きされる制度や残業代の未払いなどに対し、労務管理の改善をしようと労働組合に加入し会社と交渉をしていた。するとAさんに団体交渉をされた会社は営業職のAさんをシュレッダー業務に移動。配転無効を訴えたら次に懲戒解雇処分を受けた。更に会社はそれらを記載した「罪状ペーパー」を全支店へ貼り出しAさんを晒しあげた。まるで犯罪者のポスターである。

(プレカリアートユニオンより)

その後、解雇無効を東京地裁に申し立てたところ会社は復職通知を送る。10月1日よりシュレッダー係として。あれからAさんと罪状ぺーパーはどうなったのか?裁判も気になるところだ。
そこでAさんの加入する労働組合、プレカリアートユニオンに問い合わせてみた。

――アリさんマークの引越社各社(株式会社引越社、関西・関東)で集団訴訟と別にAさんの裁判をしています。
Aさんは今も作業着のオレンジ色のシャツを着せられてシュレッダー業務をしています(7日現在)。会社はシュレッダー業務の人はあの服を着せていると開き直っている状態です。
差別の張り紙と罪状ペーパーについては抗議したところ剥がしましたが、確認できたのは関東の本部だけなので、各支店に張り出したものは分かりません。

組織でありながら利益は会社、損害は社員。社員に弁償させるシステムをどう思いますか?

――よほどの故意や重過失で無い限り、社員に弁償させるのは不当です。

このように、代償金の天引きで給料が減り長時間労働に追いやられ、過労から事故を起こし代償金や借金が増えるという悪循環を「アリ地獄」と比喩されていますよね。流行語大賞にノミネートされそうな勢いですが、そういう経験私にもありました。
以前、病院の職員として調理室で働いていましたが料理を焦がしたら罰金、作り直して食材を余分に使っても罰金。後日、「これ払ってね」と伝票を渡されるんです。大量調理なので、みんな失敗を恐れながら働いていました。一人で鍋を6個以上同時に使うので、慣れない調理師や栄養士は罰金ばかり。大きな病院なのに酷いシステムだなぁと思っていました。当時は新人で先輩もそうしているから従わざる負えない状況でしたが…
例えば業績不振だから罰金、故意でも無いのに会社に迷惑を掛けたなどと実際に給与から天引きされてしまったらどうすればよいでしょう?

――勝手に給与天引きすること自体が労働基準法24条(賃金の支払)違反です。対処法は大きく分けて3つ考えられます。
●労基署へ申告しに行く
相談と申告は別物です。例えば「会社に未払い残業代の支払いを求めたい」と明確に述べて申告に行きましょう。
人手不足で人により対応が違いますが、法律の○条に違反するなど調べて行くとより良いでしょう。
●弁護士に依頼
裁判をすることが前提なので、着手金・成功報酬・実費を引いてもリターンがない場合はお勧めできません。
●個人加盟の労働組合に入る
労働組合が組合員の労働条件について会社に団体交渉を入れたら、会社は誠実に対応しなければなりません。
例えば残業代を払ってください、セクハラ・パワハラをやめてください、不当な配転を撤回してくださいなど労働条件の改善にも向いています。


現在、Change.orgという署名サイトでは、アリさんマークの引越社に対し、代償金を社員に払わせるシステムを撤廃せよ!シュレッダー業務の男性を救おうと署名運動が行われ1万7千人の賛同者が集まっている。
「罪状ペーパー」について労働組合に聞くと、ここまで露骨な名誉棄損はありえない。こんな事をされるんだと社員は委縮する。しかも組合に入ったら怖い事になると脅しているとのこと。

(提供:レイバーネット日本)

今年のブラック企業大賞に「アリさんマークの引越社」がノミネートされる日は近い。

 

土岐 協力:プレカリアートユニオン

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