こんにちは、女探偵F澤です。今年の春イチ、衝撃を受けたニュースがありました。
韓国では今、“伴侶石(バンリョドル)”=ペットロック=ペットの石ころ が、流行しているんだとか。
日本と同じように少子化が進む韓国では、結婚や出産をしない代わりにペットを愛玩する人が増えているため「ペット産業」が盛んになっているのだそうです。しかし、なぜ石ころをペットに。
その理由は、石は「食べない・鳴かない・排泄しない(当たり前っちゃ当たり前)」ため。そして石を眺めていると癒されるので、精神安定剤の役割としてもひと役買っているそうなんです。
「え。石、めっちゃ飼ってみたいんだが」
何を隠そう、私は猫以外にも爬虫類やその他小動物、カタツムリなどを飼育している無類の生き物好き。飼育欲がムクムクとわいてきました!ぜひ、石ころを飼育したい。
しかも、趣味のひとつである「特になんてことない石ころ拾い」で集めた石ころが、家中にたんまりと転がっている。
なんならもうすでに飼っていたとも言える。
さっそく、ペットにする石ころを選定。
「君に決めた!」
いつぞやの川で拾った、手にしっくりフィットする良石です。
石ころペットの本場・韓国では、石に顔を描くみたいなので、私も目玉をつけてみました。
「なんか……かわいいかも♡」
目玉をつけた途端、ペット味が出てきました。昨年大ヒットした映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』に出てくる石感も否めませんが。
それでは、愛でていこう!
ある時は、バブバブしている石ころをベビーカーに乗せてあやし、
また、ある時はお洋服を着せ、
あ、名前は「石田」です。石ころなんで、ハイ。
ある時は、偏食でフルーツ餅しか食べない石田に「アーン」してあげ、
キャットタワーに乗せたり、
キャットハウスで寝かしつけてみたり、
あまりにさみしがる夜は腕枕をして一緒に寝ました。
このように石田とのハートウォーミングな日常を過ごしていた、とある日。
石田を初めての外の世界へ、朝散歩へと連れ出そうとした時のこと。
なぜか、外に出るのを渋る石田。
猫のゴン「がんばって行ってこいニャ!」 石田「……。」
ゴンの応援により、なんとか石田を近所の公園へと連れ出すことに成功しました!
ルンルン♪
ルンル……ん????
遠巻きに、私を見つめる人々の冷ややかな目。
そう、石田にはわかっていたのです。こうなる結末が。
この日はゴミ出しの日で、早朝から近所の人々が活動していたのです。
半ばヤケクソになった私は、
石田を連れて近所の「コメダ珈琲店」に訪れました。
そして、モーニングを共にしました。
こうして私は石ころの石田という心の伴侶(イマジナリーフレンド)を得て、めでたく俗世(人間界)とは縁を切ることとなりましたとさ(泣)。
「日本は、まだまだ“石ころがペット”の時代に追いついていない……そう、それだけなんだっっ」
完。
女探偵F澤
元雑誌記者。三度の飯と猫が好き。