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有名店の閉店、原因はコロナ禍だけではなかった?裏事情に迫る

2021年2月28日、東京都新宿区の衣料品店バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)新宿店が閉店した。先頃、同店の閉店が発表された際には、メディアでも大きく報じられ、注目を集めた。

 

 

同店の抱える事情については、東洋経済オンラインが記事を配信した。職場の装いやトレンドのカジュアル化に伴って高価格帯商品の需要が減少したこと、より安く買えるネット通販との競合が増えたことなどで、苦戦を強いられていたというのだ。だが、この記事には「新宿店が閉店に至った具体的な理由が書かれていない」とアパレル業界の関係者は指摘する。

情報提供者によると、海外の高級ブランドの商品を主力としていたバーニーズだが、次第に自社製品にも力を入れるようになった。自社製品はより手頃な価格帯で、流行を程々に取り入れた、「あえて無難なもの」。職場での着用にも適しているということで、新宿店では自社製品がよく売れていたようだ。

 

 

 

 

ところが、この傾向に拍車がかかると、高級ブランド目当ての客が離れていった。「路面店や百貨店にも入っているブランドを扱っていても、それらの店舗には入荷しない商品を、かつてのバーニーズはセレクトしていた」と情報提供者は述べる。自社製品に力を入れるようになってからの新宿店では、そのような独自性が失われた。高級ブランドの商品は銀座店や六本木店でより多く扱っているが、やはり独自色は乏しいという。

 

六本木店

 

「売っている商品は路面店や百貨店とほぼ同じ。それならば、品数もずっと豊富なそれらの店に行きますよね」と情報提供者は言う。コロナ禍でテレワーク等が進むと、自社製品を買っていた人々の足も遠のく。情報提供者は昨年12月下旬の夕方に新宿店を訪れたが、「店に入ってから出るまで他の客に一人も会わなかった。こんなことは初めてでした」。

高価格帯商品もそれ以外の商品も売れない、これが厳しい現状だ。

 

高橋 

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