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【戦後70年】フジテレビ「私たちに戦争を教えて下さい」の舞台裏

パラオ共和国は「地上最後の楽園」と呼ばれる程サンゴ礁の美しい島ですが、かつて日本の委任統治領であり、なかでもペリリュー島は太平洋戦争の激戦地となった舞台です。15日のフジテレビの特番で取材を受けたパラオの老舗ダイビングショップ、クルーズコントロールのガイドの千葉さんにペリリューの海について聞いてみました。

ペリリューの海の特徴は、なんと言っても「流れ」と「大物」。時にはダイバーの泡が真横に流れるほどの激流になり、自分の無力さを思い知らされることになります。

沖へと流される激流はもちろん、水面に突き上げられるアップカレント、水深数百mにも及ぶ真っ青な海の底に引きずりこまれるダウンカレントも存在します。
ペリリューのダイビングでは、ダウンカレントの中を浮上することが多くあります。足を動かさないとどんどん沈んでいく程の流れ、自分の吐いた泡が浮いていかず、360度泡だらけになることもあります。
そんな海ですが、ダイバーが多く訪れるのには理由があります。大物出現率が他のポイントに比べ圧倒的に高いのです。カジキ、ハンマーヘッドシャーク、ジンベエザメとの遭遇も夢ではありません。

さらに名物はこのロウニンアジ。ペリリュー以外でこんな大群をつくる場所は他にあるでしょうか。多い時には1000匹を越えることも…

イレズミフエダイも3~5月の新月前限定の魚ですごく珍しい群れです。普段は深い場所に生息している魚なので、この魚自体見ることが珍しいです。数は万単位で表されるほどで、一面が黄色一色になることもしばしば。産卵のために群れているのですが、それを狙って3~4mクラスのオオメジロザメやカマストガリザメもよく出現します。

今回の特番の趣旨は、戦争を知らない若い世代が戦争とはどういうものなのかを戦跡や戦争経験者、過去の資料から教えてもらうというものでした。
僕は、20代という年齢的に番組側のターゲットとしても当てはまっていて、その中の水中撮影の部分だけ担当させていただきました。
日本で生活していた頃には、身近にすぐに「戦争」と結び付けられるものが周りに無く、正直戦争に対しての具体的なイメージは「怖いもの」くらい。
パラオに来て、生活してみると、周りに戦跡が多くあることに気付かされます。
街中にも戦車があり、海の中にも実際に戦争で使われていた船や飛行機。水中に眠る不発弾も見たことがあります。

今回、伝える側として仕事が出来たことを嬉しく思います。「戦争という歴史の上に今の自分たちがいる」ということを強く思わされました。

パラオのイメージと言えば、綺麗な海、ダイビング、リゾート。
良いイメージがほとんどです。実際に訪れてみても、パラオ人は親日で街を歩いているだけで気軽に挨拶してくれ、困っていれば必ずといっていいほど親身になって助けてくれます。南国特有のゆったりとした時間の流れ、規則に縛られすぎないゆるい性格の人たち。

そんな国にも戦争の歴史があり、日本とも強く関わりがあったことを私たちは忘れてはいけません。

(撮影;千葉  協力;Cruise Control)

 

土岐

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