愛人に張り付いていた隊員から連絡が入った。
シー○ー○パレスという大きな建物に入って出てこない、とのこと。
隊員は尾行を続ける必要があったので私が内部を調べるべく現場に向かった。
玄関をくぐると、仰天する光景が目に飛び込んできた。若い女性が大勢で階段のような場所に座り、こちらを一斉に見ている。その数、100人余!・・・これが雛壇か・・・。客はここで気に入った女を指名し、個室でプレイするわけだ。
手前にある応接セットに座り、女を物色する客を装った。何人かの女がこちらを見て手を振る。あまりに多い視線のため、逆にこちらが恥ずかしくなるほどだ。全ての女の顔を確認したが、愛人はいなかった。
ボーイが近寄って来る。つたない英語で「気に入った娘はいますか?」と聞いてきた。私は「これで全部か?」と聞いた。すると「3階に現役のモデルだけのクラブがありますよ、料金は少し高いですが、素晴らしい娘ばかりです」
「高い?・・・いくらくらい?」「はい、ここ(1階)は6000円ですが、3階は7500円です」
たった7500円か!
と思わず吼えてしまった。ビーサプライズだ。日本ならこれだけの美女を金で買うとしたら、15倍はくだらない。
私はボーイの案内を待たずして、自らエレベーターに乗った。
うおおおおっーーー。声にならない声を上げた。150坪ほどの広大なサロンに、美女、また美女。玄関に撮影禁止と大きく注意書きがあったので、みなさんに映像をお見せできないのが残念である。
思わず指名しそうになる欲求をぐっとこらえ、目を凝らして愛人を探したが、いない。もう既に客がついているのか。私はフロアーにいるボーイを呼び「女はここにいるだけか?」と尋ねた。するとボーイは意味深な薄笑いを浮かべ、写真集を持ち出してきた。じっと見入る私。
この娘お願いします。
おっといけない! 私はボーイに慌てて否定すると、写真集を隅々まで見た。
あった・・・愛人はペントハウスの表紙を飾っていた。
「この娘はいないのか?」ボーイは首を横に振った。
そんなはずはない。客がついているのか、と続けて尋ねた。ボーイは出勤していない、と言う。私は、ここはねばるしかないな、と思い、メニューにある飲み物をオーダーする。特に関係ない話だが、隣の客はカレーライスを食べていた。
そして小一時間が経った。来た! 愛人は、少し疲れた表情を見せながらサロンに舞い戻った。
と、そのまま入り口のカードに何かを記入し、エレベーターに向かう。たぶん、タイムカードのようなものだろう。ん?待てよ・・・つまり、このまま帰るってこと?
ちっ
私は大きく舌打ちした。せっかく指名してSEX聞き込もうと思ったのに。
・・・・・・・・・・・・・・・。
待てよ・・・・・・そうだっぁああ!!!
ここで私は重大な発見をした。
あとは外にいる隊員に任せ、私は違う女に聞き込めばいいわけだ。
ここまで来て何の収穫も無いまま、手ぶらで帰るわけにはいかない。BOSSの名にかけて。
私はボーイに気に入った女の番号(確か256番)を耳打ちし、料金の7500円を払った。
女と共に6階へ上がる。
部屋に入って驚嘆する。50畳は裕にあり、奥には豪華なバスルームがある。
しかも、デッキチェアーがどうして7つもあるのか・・・謎はますます深まるばかりだ。
意を決して女に聞いてみた。すると
10人指名する日本人がけっこういるから。
なるほど、謎は解けた・・・え?・・・10人!? アレキサンダー大王か、日本人は。
まぁ、10人でも7万ちょっとだからな。日本ではまずできんしな・・・って、感心している場合か俺は。
さて、本筋とは何の脈略も無いが、女にヌード写真を撮る許可を得た。
その画像が、これだ!!
ちがうだろ、これ。 (女性ガイドさんと遺跡を調査してるところ)
隊員U、ちゃんとしたの送れ。
何だこれ。いつ撮ったんだ、隊員U。俺の隠し撮りやめんかっ!
遊んでばっかりと思われるじゃないか。
ー 強制つづく ー